劇場公開日 2021年4月9日

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アンモナイトの目覚めのレビュー・感想・評価

全56件中、21~40件目を表示

3.5差別へのアンチテーゼ

2021年5月3日
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女性が虐げられてきた歴史を踏まえ、現在もはびこる性別や階級による差別へのアンチテーゼが主題なのだろう、と感じました。

メアリーの中には、自らが発掘したアンモナイトの化石のように、偉大な能力が埋まっている。
繊細な作業と、化石に関する深い造詣が求められる仕事だ。
なのにメアリーは、他人から評価されない。
労働者階級の女性で、学会にも入れず、論文発表すらさせてもらえない。
そして、結婚もせず子どももいないことで、この時代ゆえの「生きる価値を他人から否定され続けた人物」という設定なのが重要。
それに対する不満と怒り、恨みを胸に抱いている。

そんなメアリーは一個の人間として認められることと、自由と尊厳を何より欲し、レッテルを貼られカテゴライズされたり、誰かに囲われたりることを、心の底から拒絶しているようなキャラとして作られていました。

だから、身分も性別も超えて、文字通り裸の人間同士の愛に燃えたわけで。

それはそれとして、メアリーの恋の相手、富豪で化石収集家の妻・シャーロットを演じたシアーシャがめちゃくちゃキュート。
二人の主演女優の脱ぎっぷりがなかなか刺激的で、うっかりすると「百合ラブ・ロマンス・ポルノ」に勘違いしそう。
目のやり場に困るくらいのベッドシーンがありますが、そういう映画ではありません。

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コージィ日本犬

4.0また一つ、アンモナイト映画の傑作が…

2021年5月2日
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 そこに行き着くしかないエンディング。悲恋か、幸せの兆候か。思い出すたびに真逆の思いが浮かび、心がざわめく。アンモナイトを挟んで対峙する2人の姿が、とにかく美しいということだけは、揺らがない。
 荒涼とした海辺で、アンモナイトを日々掘り出すメアリー。泥にまみれた仕事を終え、ごつごつとした身体をさらす。感情を押し殺し、心の奥底に抑えつけている分、彼女の振る舞いはひどく無防備だ。(アカデミー女優のこんな姿を見ていいのか、と躊躇われるほどだが、有無を言わせぬ迫力がある。)年老いた母と2人、単調で閉塞的な毎日を送っていた彼女の前に、華奢で可憐なシャーロットが突然現れる。当然、相容れない真逆のふたり。そんなふたりが心を通わせ、少しずつ距離を縮めていくほどに、上り詰めた後の行く末が気掛かりになってしまう。属する世界の違いすぎるふたりが、共に目指せる、共存できる場所はあるのか。
 相手に心を寄せたぶん、互いを受け入れ共有しようとする。そんな心の動きが、本作では視覚から伝わってくる。重苦しい黒いドレスに丹念な巻き髪で登場したシャーロットが、次第に襟ぐりの大きい明るい色のドレスを軽やかに纏うようになる。さらには、綿のシャツにロングスカート、髪は編み込みでざくざく浜を歩く。一方、シャーロットを訪ねていくメアリーは、彼女なりに精一杯の身支度をするが、メイドに一瞥され、素っ気なく勝手口を案内されてしまう。何とか美しい調度品や蝶の標本で飾られた部屋に通されても、所在なく立ち尽くすばかり。再会に胸躍らせるシャーロットとの溝が、痛々しく伝わってくる。
 人には、様々な面がある。関わる相手によって見せる面が違うし、その相手が見るものも微妙に異なるだろう。出会う場所、出会い方が別物であれば、と思うことは日常にあふれている。仕事上の付き合いでなければ、年齢がもっと近かったら、今ではない時と場所ならば。そんなことを考え始めると、自分は相手そのものをどれだけ知っているのかわからなくなっていくし、自分の相手への思いにも、確信が持てなくなってしまう。
 そんな危ういふたりをしっかりと繋ぎ、互いへの眼差しに確信を与えてくれるのは、物言わぬアンモナイトだ。メアリーは、海を離れてシャーロットの許に身を寄せることはできない。シャーロットもまた、夫との生活を捨てることはできないだろう。けれども、アンモナイトを掘り出し、アンモナイトに見入るたび、ふたりは互いへの想いを確信するに違いない。
 様々に進化を繰り返しながら、現代まで生命を繋いできたアンモナイト。彼らは、複雑かつ不可思議で、力強く、美しい。
(「東京公園」を久しぶりに観てアンモナイトが題材に使われていたことを思い出した直後に、たまたま本作を観た。当然、揺るがぬアンモナイト映画「勝手に震えてろ」も思い出され、また観返したくなった。)

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cma

4.0女性の愛と苦しみ

2021年5月1日
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悲しい

難しい

萌える

19世紀、イギリス南西部の町ライム・レジスで化石学者メアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)は、母と2人で暮らしている。かつて彼女の発掘した化石が大発見として注目され、大英博物館に展示されたが、今は土産物用のアンモナイトを発掘し、細々と生活している。
ある日、裕福な化石収集家に頼まれ、妻シャーロット(シアーシャ・ローナン)を数週間預かることになる。自分とかけ離れたシャーロットに、メアリーは次第にひかれ、シャーロットも・・・という話。
メアリーとシャーロットの心の変化、葛藤、苦しみ、愛、自尊心などがウィンスレットとローナンの名演により堪能できる。
特に2人のベッドシーンは綺麗でエロかった。

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りあの

3.5ケイト・ウィンスレットの強さ

2021年4月29日
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鑑賞方法:映画館

ストーリーうんぬんよりも、
二人の女優の競演に目が離せなかった。
シアーシャ・ローナンも、もちろん良かったのだが、
ケイト・ウィンスレットは圧巻だなぁ…。
表情筋動かさない役多いような気がするんだけど、
顔圧?眼力??身体から発するオーラ???
とにかく、圧倒されるんだよなぁ…。
目を奪われるというか、奪われるというか離せなくなっちゃう。
メドゥーサかっ!?

この強さが、芯の強いメアリーにピッタリだった。
ラストも納得。

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hkr21

3.5メアリーを楽しむ

2021年4月25日
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鑑賞方法:映画館

知的

歴史上の偉人に大幅なデフォルメを施し、19世紀の舞台に現代の息吹を取り込み、見事な自然美というオブラートで包んだ、会話が少ない沈黙の匂わせ劇は観る者の心を擽ります。

ある種、メアリーの表情、心情の変化を楽しむ映画。

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ちゆう

4.0ケイト・ウィンスレットを堪能した

2021年4月25日
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鑑賞方法:映画館

ケイトとともに歳を重ねたこの20数年、一本一本大切に観てきた。皺やお肉さえも愛おしい。若い人たちにはただのおばちゃんなのだろうか。

時は1840年代、イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジスが舞台。ケイトが演じたメアリー・アニング(1799-1847)は実在した古生物学者だったのですね。

今作はメアリーのアンソロジーではなく、四十を過ぎた彼女の心の揺れを丁寧にすくい取る私的な作品。世間と距離を置く孤独な生活、表に出すことのできない性的マイノリティーの苦悩、抑えることができない恋心を繊細にとらえた。

シアーシャ・ローナンが演じたシャーロットと心を通わせる瞬間の高揚感がたまらんかった。ダークなトーンが色彩を帯び光り輝いた。

これは素晴らしい作品だった。出ずっぱりのケイトを堪能した。『愛を読むひと』のような衝撃はないにしろ、じんわりしっかり沁み入る秀作でありました。

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エロくそチキン

4.0女性解放はひそやかにはじまっていた

2021年4月23日
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鑑賞方法:映画館

 映画「燃ゆる女の肖像」を鑑賞した人は、本作品の印象がとても似ていると思うだろう。当方もそう思った。いずれも海辺の寂れた場所が舞台なのでますますそう思える。どこが違うのか。その相違点に本作品の価値があると思う。
 まず場所と時代が異なる。「燃ゆる~」は18世紀フランスのブルターニュ地方の孤島であり、本作品は19世紀イギリスのブリテン島南岸の町ライム・リージスである。ちなみにライム・リージスから南下したところにガーンジー島があって、映画「ガーンジー島の読書会の秘密」の舞台となった。これも女性が主人公の映画である。そしてガーンジー島の南西にブルターニュ地方がある。19世紀イギリスは産業革命によって封建主義が崩壊しようとしている時代だったと思う。シャーロットが封建主義的な夫に反発するのは、女性の精神に封建主義が根付かなくなったことの現れである。
 本作品は男性監督のフランシス・リーで「燃ゆる~」は女性監督のセリーヌ・シアマである。ほとんどのシーンで監督の性別は無関係だったが、レズビアンの性描写のシーンでは男性監督と女性監督の差が出てしまった。本作品の性描写は直接的すぎてちっともレズビアンらしくない。「燃ゆる~」のセリーヌ・シアマ監督によるセックスシーンの方が数段上だった。
 名女優ケイト・ウィンスレットが演じた本作品の主人公メアリー・アニングは、著名な化石収集家である。実在した人物をレズビアンだったとする作品が堂々と公開されたことにはある種の感慨がある。そういう時代になったのだ。
 本作品のメアリーは、シャーロットと出会う前から自分がレズビアンであることを知っていた。その相手はフィオナ・ショウが演じたエリザベスである。登場シーンから乳を揺らしていて、なんだか妙に色っぽいおばあちゃんだと思って推測したのだが、多分間違っていないと思う。
 レズビアンという秘密を押し隠して、ひたすら化石集めをして細々と生活してきたメアリーだが、シャーロットに出逢ってレズビアンの欲望が疼き出す。感情を表に出さないけれども、視線はシャーロットを追っている。そのあたりのケイト・ウィンスレットの演技が見事だ。
 女であることで本を出版することが出来ず、地位も安定した生活も得られないことに甘んじているメアリーは、女性の地位向上についてのシャーロットの進んだ考えを垣間見て驚く。しかし知的な女性らしく驚きを見せないところがいい。音楽会で最後列に座るメアリーと最前列に座るシャーロットの位置が、そのまま二人の関係性となっている。
 18世紀末に生まれたメアリーと19世紀生まれのシャーロット。自由な女性、解放された女性としての自分を自覚しているかのようなシャーロットだが、自分の考えに他人を当てはめてしまうのが悪い癖だ。メアリーから、あなたは私のことを何も分かっていないと言われるのも当然である。
 本作品には女性解放やジェンダーフリーや封建主義的な精神からの脱却など、多くのテーマが詰め込まれている。しかしそうとは悟らせないように静かにシーンを重ねる手法が面白い。原題は「Ammonite」で邦題は「アンモナイトの目覚め」だ。久しぶりに見る優れた邦題である。19世紀のイギリス。女性解放はひそやかにはじまっていたのだ。

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耶馬英彦

2.5欲求不満

2021年4月23日
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作品と監督に、距離を感じた。終止突き放した語り口。

「ゴッズ*オウン*カントリー」の様な愛と嫉妬と裏切りのドロドロメロドラマを期待したのに、、

シアーシャ・ローナンを女装っぽく撮ってたのには苦笑
華麗で綺麗でした。

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労働4号

1.5きっと、良い作品なんだろうけど

2021年4月21日
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終始、テンポが変わらない作品は、肌に合いませんでした。

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ムーラン

2.5良質な恋愛映画です。

2021年4月21日
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鑑賞方法:映画館

同じテイストの作品「燃ゆる女の肖像」に
大変感銘を受けた僕は本作を観ようかどうしようか?
迷ってました。
比較しちゃうからです。きっと相対的に観ちゃう、、、よくないのですが。
結局・・・観ました。

まず、作品公式HPの「STORY」ページ
・・・内容書きすぎじゃないですかね?
笑っちゃうほど、全部書いてあります。いいの?これ。
というか、配給会社さんのセンスが無いのか?
それとも「ストーリーが見どころじゃ無いんだぜ!」
っていう自信の現れなのでしょうか?

ただ、観賞後読んだらエリザベスの立ち位置が
ようやく理解できました、あぁスッキリ。
エリザベスとメアリーの関係性を知った上で
鑑賞することをお勧めします。

ストーリーは恋愛映画ですね。紛れもない。
それの比重がとっても大きな作品ですね。
アンモナイトなどの化石の発掘作業と奥底に
沈めた自分の心を解き放つことを
うまく対比させた作品だなぁって思います。
キーとなる行動やイベントにうまく使われています。

今回はなんというんでしょうね。
ちょっとメンタル弱めの承認欲求の塊
(かまってちゃん)女性との出会いだったからですね。
もし違うタイプだったら、何も始まらなかったのでは無いでしょうかね?
看病がきっかけでーなんてところも、
アオハル小説かよ!って感じで。
そういう点を考えても、うーん、恋愛映画の
1つのパターンだよなぁと。
また、物語の終わり方も、なんとも恋愛映画然としていますよね。
よくある話だよなぁって。仕事にプライド持ってる人間が相手だと、あるよなぁって。

あとなぁ、そんなにいる?この情事のシーン。
ここまで描写・・・必要かなぁ?
何か意味があるならまだしも、あんな具体的な動き
必要かなぁ?ただ、そういう関係になりました。
今回はいつもより濃厚なんですってのが
わかればよかったんじゃ?妙な違和感。
誰得のシーンなんだろ?
監督が観たかっただけ?(笑)

やはり比べてしまいます。「燃ゆる〜」と。
あの情熱、狂おしい気持ち、メラメラ燃え始める気持ち、描く人、描かれる人・・・この立ち位置が副次的に物語を膨らませ美しく描いていく。。
あの、物語、映像作品としての豊かさを感じることはできませんでした。

良質な恋愛映画ですし、演者さんたちも見事でした。でも、それだけでした。

蛇足ですが、メアリー・アニングさんって実在していた方なんですね。
親族の方々はこの内容にOK出しているのかなぁ?

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バリカタ

5.0独特の雰囲気、、、2人の瞳が素晴らしい

2021年4月18日
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余韻を残し、観る側にこれからを想像させる幕の引き方、、、

セリフは少ないけれど、少ないからこそ伝わってくる2人のなんとも言えない演技!
素晴らしいですね〜。

病弱なシャーロットが、メアリーの介抱を受け、顔色も良く微笑める健康を取り戻し、美しくなってゆく、、、無愛想ながらも、彼女を優しく看護しながら彼女もまた人の体温を感じてゆくのかな。
シャーロットがこれまでの悲しみを、吐き出すように泣き崩れ、しがみつくようにメアリーに頼るあたりから、2人の距離が縮まった感じ、、、そしてとても美しい性の描写、、、

ろうそく火が、頼りなさそうに見えながらも、実はチロチロと消えずに燃えてゆく感じ。

シアーシャの瞳が、気品とあどけなさを残す感じで、とても綺麗でした。
ケイト、ウィンスレットは、もう手の指先まで自立する女で、これまた美しかった!!

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るー

4.0【"互いに磨き合った、収集癖のある二人" 孤独感を抱える二人の女性が徐々に惹かれて行く様を、静謐なトーンで美しく描いた作品。】

2021年4月17日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

- メアリー・アニング。イギリス南西部の海辺の町ライムに生まれ、13歳でイクシオ・サウルスの全身化石を発掘。
 だが、労働者階級の彼女の業績は当時、正当な評価を得る事はなかった・・。-

■感想
・シャーロット(シアーシャ・ローニャン)が、鬱病になったのは、夫の浮気が原因ではなかったのではないか?もしくは、良家の妻としての抑圧か?
- シャーロットが、メアリー(ケイト・ウィンスレット)の家で療養中に高熱に魘されながら、口走った言葉"私は女なんか見なかった・・”から、類推。-

・メアリーの秘めた性癖も、後半明らかになり。
- シャーロットの為に軟膏を貰いに行った中年女性に”家に寄っていかない?”と声をかけられたり、後半、彼女から、掛けられた言葉。-

・メアリーとシャーロットがそれまでの抑圧から解放されたかのような、激しくも美しき性愛シーン。
- 猥雑感皆無の美しいシーンであると思う。二人の女優の美しき裸身が絡み合う様・・。-

・シャーロットにロンドンに招かれたメアリーが、シャーロットが意図的ではないにしろ、"自分を収集しようとしている・・"と気付いた時のメアリーの嫌悪の表情。
- 同族嫌悪とまでは言わないが・・。それで、二人は惹かれ合ったのかもしれない、と勝手に推測する。-

<似た者同士のメアリーとシャーロットが、大英博物館の化石を展示しているショーケースを挟んでシンメトリックな画面構成の中、対峙するシーンも、二人の関係性の変化を表すようで、今作を鮮やかで印象的な作品にしている。>

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NOBU

5.0傑作

2021年4月17日
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星五つは附けない方針なんですが、文句無し。シアーシャがひたすら可愛い。監督が惚れてんじゃないかしら。で、ケイトが巧い。そんな言葉じゃ足りないくらい。大英博物館で主人公こそ、ここに相応しいというオマージュシーンがあってお見逃しなく。サントラ要らないとは言わないけどひたすら鳴らさないのは、滅茶苦茶好み。

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michi

3.0恋に落ちたらみんな一緒

2021年4月16日
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ケイト・ウィンスレットを男性に置き換えたら、良くある恋愛映画なんだよね。そう観えるように、撮られてるんだと思う。
ヘテロ男性とヘテロ女性の恋愛で、色んなドラマが描かれるように、同性愛カップルでも色んな恋愛ドラマが描ける。主人公に同性愛者を選んでも、だからといって、そこに深くこだわって描かなくても良くて、普通に描けばいい。そう思って観たの。

話の中で「頼ってちょうだい」って女の人とワケありそうなんだけど、なんだろうと思ってたら、最後にきて「そういうことか!」って分かるの良かったよ。
あとラストは「オレでも、そこで待ち伏せるな」と思ったね。そして幕の引き方も、このごろ余りみないやり方だけど良いと思ったよ。

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Scott

3.5険しい寒さと泥にまみれながら、海辺で化石を発掘するメアリー。 閉ざ...

2021年4月16日
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鑑賞方法:映画館

険しい寒さと泥にまみれながら、海辺で化石を発掘するメアリー。
閉ざされた心がシャーロットの美しさと寛容さで次第に打ち解ける、その繊細なやりとりが見どころだった。

実在する人物だというのでメアリーとシャーロットの事を少し調べてみたが、少ないながらも長い間憶測されていた彼女達の情報を知ることで、より人となりや歴史的な背景も興味深く感じた。
そして、伝記ではなく脚色である脚本の豊かな想像力とセンスに驚く。

この監督、前作も牧場で泥まみれで仕事する2人の心の触れ合いを繊細に描いていたが、泥まみれで一緒に労働する、どんな言葉より垣根を越える行為なのかもしれない。

口数少なく目で会話する2人、静かな恋の雰囲気だったのに、ベッドシーンだけは大胆で呆気に取られた。

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パプリカ

4.0ドキドキする

2021年4月16日
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身分に差がある二人が対等にある恋愛ストーリー。
多くを語らず表情や間から感じる。音が最小限なのがいい。

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Oyster Boy

3.0波とエロスとアンモナイト

2021年4月14日
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19世紀イギリスを舞台にした古生物学者とお金持ちのお嬢さんの同性愛もの。
静謐で繊細で時に大胆、波の音が印象的で、音楽や台詞など、余計なものを削ぎ落としたシンプルな作品。

寡黙で大人しい人が一度スイッチか入るととてつもないエネルギーを放出させる。それは仕事だったり、恋や性生活や感情面でも。

「おやすなさい」のキスから火がついた二人の関係性、メアリーの内に秘めた激しい情熱とエロスをケイトが巧みに演じている(タイタニックのローズを演じてから二十数年も経っているとは感慨深い)。

階級社会かつ、女性の地位が低かった100年前、彼女たちがいくら素晴らしい功績を残そうが名前を消されてしまうことに驚く。

近年よくあるような同性愛カップルの愛をロマンティックに美しく描いた作品とはちょっと異なり、ラストの展開ではちょっと拍子抜け。さらに二人の性描写は結構リアルなので、一緒に観る相手によっては気まずくなるかも
(長いドレスを捲り上げてのシーンは斬新である)。

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あさ

4.0波の音に掻き消されそうなほど静かな物語

2021年4月14日
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鑑賞方法:映画館

個人評価:4.0
この物語をこの2人が演じてくれて本当によかった。ローナンとケイト・ウィンスレットでなければ、ガラスの様に壊れやすく、波の音に掻き消されそうなほど静かな物語を演じきれはしなかっただろう。
生なる声よりも、死に満ちた化石に耳を傾けるメアリーに対し、宝石の様に輝く若いシャーロット。お互い欠けた心を補完し合うその様が、憂いながらも、まるでクラシック音楽を聴く様に心地よい。
化石と冷たく固まった心をメタファーのように対比させ、純文学の様な作品。
ただ恋愛を語るにはさらに踏み込んだ展開が必要なので、あくまで化石と心の比喩を描いた作品だと感じる。

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カメ

4.5飽きさせない

2021年4月14日
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鑑賞方法:映画館

73本目。
シアーシャ・ローナンが出ているだけで、いい作品と思い込んでる自分。
実際そうだったけど、会話が少なく落ち着いた作品で苦手とは思ったけど、表情を読み解いて行く行だけでも飽きさせない。

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ひで

4.0【奥底に眠るもの、自立】

2021年4月14日
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東北の中央を南北に貫く奥羽山脈は、東西圧縮で隆起した数百万年前の地層だ。
僕の友人のお父さんは、建設省(当時)のお役人で、ここのトンネルや道路工事を管理していて、土砂から見つかる貝の化石をよく家に持ち帰っていた。
僕はそれを、その友人と、僕の見つけた土器の破片とたまに交換していたが、それは、今、僕達が見る貝とほとんど同じような感じだった。
これに対し、北上山地は、ユーラシア大陸から切り離された何億年も前の古い地層で、その東北部に位置する宮古周辺ではアンモナイトが見つかると聞いたことがある。

イギリスでは確か同性愛が法律で禁じられていた時代があって、1800年代は、そうした時期だったのかもしれない。

古生物学者としての仕事にひたすら向き合ってきたメアリー。
裕福な家に嫁ぎ抑圧された生活を送って来たシャーロット。

アンモナイトは、ふたりの意識の奥底に眠る同性愛の心のメタファーだろう。

化石の発掘や、洗浄など地道で、ある意味、退屈な作業も、実は、この頃の女性の抑圧された生活そのものを表しているのではないだろうか。

しかし、見落とされがちな、気が付かないところには重要な化石が眠っているように、自分にも気が付かない秘めた意識があるかもしれないのだ。

イギリスの田舎の寂れた家でのレズセックスは激しくも、どこか切なさが残る。

エンディング。
シャーロットの申し出を拒絶するメアリー。

この作品には、女性同士が恋に落ちるという同性愛の物語に、女性の自立とは何かという問いを更に投げかけているのだ。

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ワンコ