劇場公開日 2020年10月9日

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「緊張感とぎれず4時間見させてしまう映像と役者の力を堪能、漫画原作の理想の映像化」本気のしるし 劇場版 五所光太郎(アニメハック編集部)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0緊張感とぎれず4時間見させてしまう映像と役者の力を堪能、漫画原作の理想の映像化

2020年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作漫画のファンで、深田晃司監督の作品は本作が初見。上映時間にひるみながら見にいきましたが、見はじめたら4時間あっという間でした。BGMがほとんどなく、巧みにコントールされた環境音だけで緊張感をとぎらせずに見せてしまうのがすごいです。
放っておけない危うい魅力をもつヒロインの浮世と、そんな彼女に惹かれていく主人公・辻の関係が逆転していく流れを描くのに、2時間では難しかったと思います。この時間だからこそ描けた物語だったと感じました。漫画原作ならではのキャラクター像とリアルな感じの配分も絶妙でした。
原作の白眉といえるヒロインとストーリーテリングの魅力はそのままに、映像ならではの良いアレンジも随所にあって原作ファン、未読の方どちらも楽しめるはず。原作で好きだった「いけない、お店の時のクセが…」の場面がなかったのが個人的にちょっと残念でしたが、映画の終わり方も綺麗で1本筋の通ったものでした。

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五所光太郎(アニメハック編集部)