劇場公開日 2021年1月29日

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「☆☆☆★★★ 「綺麗事じや、やってらんね〜んだよ!」 ちょっとだけ...」ヤクザと家族 The Family 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5☆☆☆★★★ 「綺麗事じや、やってらんね〜んだよ!」 ちょっとだけ...

2024年3月10日
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☆☆☆★★★

「綺麗事じや、やってらんね〜んだよ!」

ちょっとだけの感想で。

前作の『新聞記者』が好評だった藤井監督の最新作は、時代に取り残されてしまった(昔気質な)ヤクザの苦悩を描く意欲作。

今やヤクザ組織も、以前ほどの羽振りを効かせては街中を歩けない時代。
マル暴の睨みを掻き分けながらのシノギが続く日々。
そんな中で、或るヤクザ組織に拾われるのが綾野剛演じる主人公。
自分の親を反面教師として、(元々は)なる気もなかったヤクザ組織で自分探しをするかの様に生きている。

いつしか時代は変わり【義理に熱く、人情にも厚い】古臭いヤクザには未来が見えず。寧ろアルバイト感覚だったり、遊びの延長で金稼ぎに走るチンピラが幅を利かす社会がやって来る。

脚本も監督自身の手によるが。やがて主人公自身と共に周りの関係者達も成長して行くに従い、生き方が下手な主人公と反比例するが如く。幼かった翼を対象的(お互いの父親との関係性と共に)な存在として描いては、のし上がって行く展開で。単純ではあるものの、「一体この先どうなるのだろう?」との想いを、観客側に想起させ。次第にスクリーンから目が離せなくなって行く。

それだけに、〝 徒花 〟となって生きる悲劇的な人物を、映画は慈しむ様に描いてはいるが。そこはソレ、やはり《ヤクザはヤクザ》でもある訳で…。

そんなヤクザな男を、ほんの少し美しく描き過ぎている感も無くは無い…かなと。
(まあ、そんな事を書いてしまっては。マキノ&高倉健の黄金コンビによる往年の任侠映画はどうなんだ?と言われてしまいかねないんですけどね💧)

出演者では、主人公役の綾野剛はなかなかの熱演。
他では、兄貴役の北村有起哉。下衆な刑事の岩松了。後半は翼役の磯村勇斗が印象に残り、ホステス時代の尾野真千子がメッチャ綺麗。
ありゃもう男だったら絶対に惚れるだろ(´-`)

前作は世評ほどは良作とは思わなかったのですが。
(生意気を承知で言うとm(._.)m)え
演出力を上げて来たなあ〜と。

2021年1月30日 TOHOシネマズ西新井/スクリーン9

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松井の天井直撃ホームラン