劇場公開日 2021年1月29日

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「カッコよく描かないヤクザ映画」ヤクザと家族 The Family アンディぴっとさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0カッコよく描かないヤクザ映画

2022年8月23日
iPhoneアプリから投稿

 ヤクザ映画というと、ヤクザの怖さを描きながらもどこかカッコいい、というか、間違った憧れを持ちかねないモノが多いように思うが、この映画は全くそれがないのでは?組の仲間同士では家族のような繋がりを持ちながらも、世間からは徹底的に除外され、一旦関わると大変なことになるよ、自分も友達も愛した人も。幸せなんて程遠いよと、伝えているようだ。そこがとても個人的に面白く感じた。
 ヤクザのケンジに恐ることなく自分の言いたいことを言うユカがカッコよく、ケンジが置いていった300万円にも手をつけず、子供を育てたユカはすごい。なのにあの結末はなんとも気の毒。でも現実なんだろうなあ。ケンジのラスト、意外な結末でした。同僚に裏切られ、妻子に見捨てられた彼(市原隼人)も気の毒。
 舘ひろしの親分、似合ってた。そして駿河太郎と豊原功補、2人とも最近ヤクザの役多いなあ。これからヤクザ映画を牽引していくのか、それにしても駿河太郎の死に方はちょっと恥ずいぞ!

アンディぴっと
NOBUさんのコメント
2022年8月25日

今晩は。
 暴対法設定後、現実問題として今作でも描かれているように、暴力団の力は表面上は(で、一見暴力段に見えない方々のitツールを使った手段は巧妙化していますね。対応が結構大変何です・・。)衰えつつありますね。
 今作は、その転換点を見事に描き切った映画だと思います。
 ”孤老の血シリーズ”は個人的には白石和弥監督による傑作だと思っていますが、暴対法施行前の設定でしたから、今作の意義はとても深いと個人的には思っています。では。

NOBU