劇場公開日 2020年7月3日

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「【エンタメ要素が一切ない、極北の殺人実録映画。ギャスパー・ノエ監督は本作を60回鑑賞。1983年公開時、本国オーストラリアでは1週間で上映打ち切り。ヨーロッパ全土で上映禁止になった作品。】」アングスト 不安 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0【エンタメ要素が一切ない、極北の殺人実録映画。ギャスパー・ノエ監督は本作を60回鑑賞。1983年公開時、本国オーストラリアでは1週間で上映打ち切り。ヨーロッパ全土で上映禁止になった作品。】

2021年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

<Caution !
 本作は1980年1月にオーストリアで実際に起こった一家惨殺事件を描いております。本作は娯楽を趣旨としたホラー映画ではありません。実在の殺人鬼ヴェルナー・クニーセクの心理状態を探るべく、制作されたスリラー映画です。特殊な撮影方法と奇抜な演出方法は観る者に取り返しのつかない心的外傷を及ぼす危険性があるため、この手の作品を好まない方、心臓の弱い方はご遠慮くださいますようお願いいたします。又、ご鑑賞の際には自己責任において覚悟して劇場にご来場ください・・・。と、小さい小さい文字で、当時のフライヤーに記載されている。>

◆感想
 ・殺人鬼ヴェルナー・クニーセク(アーウィン・レダー:良く引き受けたなあ・・。)が仮出獄してからの画面から伝わって来る、緊迫感が尋常でない。

 ・背景にずっと流れる冷え切ったエレクトロニックサウンド。

 ・当時、どの様に撮影したのか、ヴェルナー・クニーセクの焦燥と不安に駆られた異常な行動を俯瞰した位置からカメラが長廻しで、捉えている。

 ・”獲物”を探すヴェルナー・クニーセクの心理状態をアーウィン・レダーの抑揚のないモノローグで綴る。

<劇中で語られるように、ヴェルナー・クニーセクは幼少期、母と祖母から愛されず、それがトラウマとなって、殺人鬼になっていった。
 その中で、彼自身が持つサディストの性癖が開花し、更に暴走して行ったのである。
 ジェラルド・カーグル監督は、今作が唯一の作品であるが、相次ぐ上映禁止により、全財産を失ったという、曰く付きの作品である・・。
 嗚呼、不安だ・・。
 2021年9月12日 コロナワクチン2回目接種を終えた後に鑑賞。>

NOBU