劇場公開日 2020年11月6日

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「岡崎京子作品を映画化するには覚悟が必要なのかも」ジオラマボーイ・パノラマガール Scottさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5岡崎京子作品を映画化するには覚悟が必要なのかも

2020年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

山田杏奈は超絶美少女だからね。初対面で鈴木仁に惹かれるという設定に無理があんの。それで話に入り込めない。

ナレーションも多用されるんだけど「岡崎京子の原作漫画では、こんな感じに描かれてたんだろうな」って、コマの感じが想像できるの。そんなことするなら映像化する意味あんまりないと思う。

原作は1988年の作品なんだよね。バブル真っ盛り。鈴木仁が考えなしに高校やめるけど、こういうのは十分アリだったの。いまはないね。
その辺の空気感を無視して、現在設定も入れてきてるから、おかしいんだよね。「写ルンです」で写真撮ったと思ったら「インスタやってる?」って聞いてみたり。
いつの時代か解らない、物語世界の東京を作りたかったのかも知れないけど、全く利いてなかった。

原作があるときって、元の作品のエッセンスを抽出して再構築するんだけど、この映画のスタッフはエッセンスがなんだか全く解かんなかったんだろうなと思う。岡崎京子作品はふんわりしてるから、抜き出すのが難しいと思うんだよね。でも、敢えてそこに挑むなら、とことんやるしかないよね。そこができなかったんだろうな。

山田杏奈の魅力もあんまり利いてなくて、脇役の森田望智、滝澤エリカが良かった。

途中から「早く終わらないかな、この映画」と思いながら観たから、しんどい作品だったよ。

Scott