「朴訥とした衒いのないイメージ」過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5朴訥とした衒いのないイメージ

2023年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「アレ、ブレ、ボケ」で知られる写真家、森山大道のドキュメンタリー。「アレ、ブレ、ボケ」で知られる写真家は?っていうフォトマスター検定の問題にも出ていたので、相当有名な写真家なんだとそのとき気付いた。
モノクロのいわゆるきれいな写真というのではなくて、ザラついた匂いのする写真で印象的。どんな写真家なのかなという興味で観てみたら、森山大道の言葉と、街歩きながらのスナップ撮影、展示会を企画するスタッフのパリ展示会への過程を追いながら展開するドキュメンタルタッチの映像。
森山大道のスタイルは街を歩き、スナップを撮りまくっているイメージがした。ヘビースモーカーっぽいが、長寿であるのはあれだけ歩いているからだと思う。
コンパクトカメラで右手のストラップにぶら下げて、歩いては撮り、撮っては歩き、片手でもサクッと撮る。スナップにはフットワーク重視で軽いコンパクトカメラがいいなと思った次第。本人はいたって素朴で、衒いがなく語る。朴訥と、ただ、事象を観てるひと。衒いなく、ありのままを見る目をもっているのではないかと思った。

菜野 灯