劇場公開日 2020年7月10日

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「ぼーっとして煙に巻かれるな!」ゲキ×シネ「けむりの軍団」 momoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ぼーっとして煙に巻かれるな!

2020年7月13日
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日頃、ぼーっと生きてるので、チコちゃんにぼーっと生きてんじゃねえよ!と叱られそうな私ですが、この作品には全くぼやぼやしていられませんでした。
敵か味方か!ぼやぼやしてたらあっという間にけむに巻かれてしまいます。
人は目に見えないもの程恐怖を感じるのでしょう。
走れメロスのような設定と、古田新太と池田成志の組み合わせは絶妙でした。
早乙女太一は前半はおとぼけキャラが意外でした。後半の川原正嗣との殺陣がめちゃくちゃカッコよかったです。
妾腹の子である苦悩を描き、いつ殺されるか怯えてわざとアホなフリをしているような裏表のあるキャラだともっと素晴らしかったんじゃないかと感じながら観ていました。再演があればそこを強化してほしいなあ。
清野菜名はお転婆なお姫様がピッタリでした。
劇団員のオールスターズのような出演者たちは、安定感のある演技でワクワクさせてくれました。
最後は煙が消え去り、晴れ渡った紅葉の爽やかな秋晴れという清々しさ。
高倉健の映画を観ると帰りは健さんになった気分で帰る人が多いと聞きますが、古田新太主演の作品も同じですね。
古田新太になった気分で粋に颯爽と人波をかき分けて劇場を後にしました。

momo