劇場公開日 2020年6月6日

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「ずっとケンカをしてるのに爽快ニヤニヤ」お名前はアドルフ? kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ずっとケンカをしてるのに爽快ニヤニヤ

2020年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ヨーロッパの演劇舞台を元にしたドイツ映画。
90分間ひたすら会話劇。
皮肉と煽りと勘違い。マスクしてるのを良いことにずっとニヤニヤして見てました。面白い!

風刺や社会/歴史批判はあまりなく、言葉のケンカの妙で笑わせてくる純コメディ。ブラック度も低め。

”あ~、それを言ったらさらに荒れる!”
”なんで今それを言うねん!”
”みずから墓穴掘った~!”
と完全に面白がって会話を見てました。名前論争からの転がり方も面白くて飽きない~。

ずっとケンカをしてるのに爽快ニヤニヤ。(一部煽りすぎじゃない?ってのはあったけど;
やすえ姉さんを彷彿させる怒りの長セリフは拍手喝采モノ。ニヤニヤを越えてニタニタ顔になってしましました;必見のシーン。

会話の妙に加えて、キャラが絶妙に面白い。

学者の夫は口うるさく怒りまくってるけどたまにヒョコっと画面外から顔を覗かせたりするのが可愛らしくてフフっと。

おとぼけキャラの空気読めない発言には何度も吹き出しそうになった。

見事に全部の要素が面白い。

演劇を元にしてるのがよくわかる展開や台詞回し。
会話の中心人物が舞台のセンターに行くように暖炉の前に出たりってのも演劇的。
ある意味で”演劇でよくない?”って内容だけど……でも、映画だからこその”一家のケンカを覗き見してる面白さ”ってのはあると思います。

傑作と言える会話劇コメディ。
深みやオチではなく、事態がどんどん悪くなってく会話におかしくなってくる。進行形で面白い。
大爆笑ってよりずっとニヤニヤしちゃう。

歴史的な知識が無くても笑えます。
あったらもっと笑えるかもだけど。
オススメ!

kizkiz