劇場公開日 2020年8月28日

  • 予告編を見る

「本当に嬴政と同じ人?」青くて痛くて脆い マミコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0本当に嬴政と同じ人?

2020年9月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

まず、これだけは言わせてください。吉沢亮が素晴らしいです。これほどまでに作品によって、いや一つの作品の中でも、顔が変わる俳優さんを見たことがありません。きっと顔が完璧な黄金比だから、角度や髪型、力の入れ方によって自在に顔を変えることができるのでしょう。この作品においても、一年生と四年生の時の顔が別人のようで、時間の流れがダイレクトに伝わってきますし、10年間の下積み時代のさまざまな作品での経験を活かした演技力が最大限に発揮されていて、目を離せませんでした。彼の出世作である、「銀魂」、「キングダム 」、「なつぞら」などとのギャップが凄まじくて、しかし、それらと同じくらいの演技の熱量を感じ、大袈裟でなく、映画館でのけぞりそうになりました。これほどまでに、「演技」と「顔」の両方を自在に操れる俳優が出てきたのは、日本映画界にとって、とても喜ばしいことですね。

また内容も素晴らしく、最近のヒットする映画は、個人的には心の表面を当たり障りなくかすっていくだけの印象でしたが、今作は心の奥深くまでグサッと刺さる内容で、たとえヒットはしなくとも、2020年を代表する名作と言っても過言では無いと思います。心に響くか響かないかで、賛否は分かれると思いますが、この映画は、この映画の良さを理解できる人たちだけであっても、強烈なインパクトを与えられる作品なので観て損は無いと思います。

コメントする
YODA