劇場公開日 2020年11月27日

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「青春時代の葛藤。軸が明確な作品」君は彼方 kindさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0青春時代の葛藤。軸が明確な作品

2020年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

良作でした。

澪と新の葛藤とキャッチフレーズをしっかり描いてきた作品だと感じます。
大人だと青春ファンタジーは理解しにくいと思いますが、中高生の心には響いていると思います。

主人公の澪は高校生という設定もあって、決断したようで決断できていないフラフラした精神。
「努力したからって、絶対報われるわけない」という言葉の通り、中高生の悩みが伺えました。
作中で転々と移り変わっていくシーンはそんな澪の精神の現れと思います。
そんな未熟で不安定なメンタルは大人からみるととてもいじらしく思えました。

現世とあの世をつなぐ電車が走っているのは池袋の語源となった丸池でしょうか?
三途の川ならぬ三途の池と考えています。
他にも作中で象徴的な扉とか、細かい設定にもパンフレットで触れてほしかったなと思います。

「私は変わる」というキャッチフレーズは澪と新のどちらにも当てはまるのではないでしょうか?
新の背景は織夏さんと描かれていますが、変われないところは澪と同じように思います。

未熟で不安定な二人が長い道のりを経て結実していく過程が良かったと思います。
ストーリーの軸はしっかりしていると思います。

映像もキレイでしたし、女性キャラクターは美人でした。円佳も織夏さんも好みです。
キャラデザの過程はパンフレットに記載されていましたね。

次回作も期待しています。

kind