配信開始日 2021年7月2日

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「斬新な設定は一見の価値あり」トゥモロー・ウォー kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5斬新な設定は一見の価値あり

2021年12月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

Amazon prime videoで観賞。Amazonオリジナル作品。
タイムリープものとエイリアンものをミックスしたナイスアイディアで、観て損はない。

30年後の未来から現代に助けを求めてくるという設定が面白い。
侵略者の攻撃を受けて絶滅の危機にある人類に現代から援軍を送るため、徴兵制が敷かれるのも斬新。

『TENET』でも異なる時間の出来事が同時に進んでいくという矛盾があった。タイムリープの〝あるある〟だ。
が、時間を超えられるのは相対する時点どうしの間だけで、それぞれの時点は同じ速度で時間が進んでいる…と、実にあっさりこの矛盾を解消している。この理屈は本当に軽くあっさり説明されているのだけれど、目から鱗。
タイムパラドックスを回避する対策も面白いアイディアで、そのために兵士を誰でも未来の戦場に送り込むことができず、民間人が徴兵されることになるのだ。
地球外から攻めてくるエイリアンが本能で行動する猛獣のようで、とても知的生命体に見えないのも〝あるある〟だが、これにも明確に回答が用意されている。
このアイディアは、『エイリアン』シリーズの何作目だったか『AVP』シリーズだったかに近しい設定はあったと思うが、うまい説明になっている。
『クワイエット・プレイス』シリーズでこのアイディアはもう使えなくなった…

そんな気が利いた設定だけれども、緩い部分も多々ある。
シリアスものではないSFアクションなのだから目をつぶれる部分ではるが、ラストシーンで、主人公(クリス・プラット)が自分と家族に何があったか知らないままのはずなのに「家族を手放さない」なんて固く誓ったりするのは、いくら勢いまかせといえど、どうなんだろう…とか。

アクションシーンは迫力があって、タイムリープの場面も新しさを感じる。座標が狂って犠牲になる人々は気の毒だが。
訓練も受けていない民間人がいきなり兵士として戦場に送り込まれ、あんなバケモノと戦わされるなんて、いっそ早く死にたいと思ってしまうかもしれない。きっと体が硬直して動けなくなっちゃうだろう。
完全な民間人兵士が身を挺して仲間を逃がすところなんて、純粋に感動的だったりする。

エイリアンと兵隊の戦争を描いた映画は『エイリアン2』が最初の成功作だと思う。『世界侵略:ロサンゼルス決戦』が、宇宙のどこかやジャングルの奥地などの特殊な場所ではなく地球の都市を戦場にして発展させた後、数々の亜流が生まれているが、本作は更に時空を越えて拡大させることに成功している。
劇場で公開されなかったことは実に惜しい。

kazz
だいちゃんさんのコメント
2023年6月24日

ラストシーンで、主人公(クリス・プラット)が自分と家族に何があったか知らないままのはずなのに「家族を手放さない」なんて固く誓ったりするのは、いくら勢いまかせといえど、どうなんだろう…
→これって、未来の娘から、「過去の父が自分たち家族を捨てた」、って聞いていたからですよね。

だいちゃん
kossyさんのコメント
2021年12月30日

体力のない老人たち。
太平洋戦争では日本も50代のオジサンをも戦地に送リましたけど、捨て駒なんでしょうかね…

kossy