劇場公開日 2021年1月8日

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「イマイチ」ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画 Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5イマイチ

2021年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画「パッドマン」が良かったので、遅ればせながら鑑賞。
だが、イマイチだった。

宇宙開発は、人情を超えた冷徹なサイエンスの世界のはず。
それゆえ、描かれるべき人間ドラマは、多少マニアックになっても、技術開発ゆえの苦悩であるべきだ。そこに“野心”と“情熱”があるはず。
しかし本作品では、予算獲得や家庭事情などの下世話な話が中心で、技術開発は、突然に着想を得て、すぐにうまくいったように描かれるのみ。
おかげでサイエンスよりは、打ち上げ日の天候や火星上の周回軌道に入った後の、“神頼み”の方がクローズアップされる始末である。

宇宙開発という壮大なテーマに惑わされずに虚心坦懐に観れば、映画「パッドマン」の方が、まだしもサイエンス映画だと思う。
“ものづくり”に、しっかりと話の重点を置いているからこそ、パッドマンの社会貢献への“情熱”が感動的だったし、家庭事情の話も面白くなったのだ。
一方、この映画では“火星探査チーム”という括(くく)りがあるだけで、主役もテーマも拡散し、コアとなるものがない。
人物が多くて、個々の話が浅すぎるのだ。
再現ドキュメンタリーならそれでも構わないが、そういうわけでもない。

薄味のつまらない作品だった。

Imperator