るろうに剣心 最終章 The Beginningのレビュー・感想・評価
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終わっちゃった(泣)
もう終わりなんだなと思うと、寂しいです。
剣心が刀振りかざして血を飛び散らせながら人を斬るシーンは、心が痛みました。
でも、剣心の過去がわかり全てスッキリしました。
やっぱり有村架純は適役。
存在感がすごい。
巴の気持ち、剣心の気持ち考えたら切なくて涙が出てきた。
キャストも豪華で見ごたえあります。
舞台の造形美
まず個人的には本作は4DXではないほうがいいかなというところ、静がメインの映画であるし動のパートも派手というより緊迫といった感じなのでノイズになりがちだった。
唯一香りの演出は、巴の白梅香について本作中で台詞では触れないだけによかった、だがいかんせん噴出音が気になった。
以前からるろ剣の美術は美しいが、今作は今まで見た全ての映画の中でも屈指の美しさだったと思う。近景のリアルとフェイクの丁度間を取ったような設えはもとより遠景の色味も文句なしで全編どこを切り取っても絵になる!
原作ovaと読み込みまくった人間からすると、ストーリーや台詞はすでに頭に入っているので、逆にオリジナルの台詞部分にぐっときた。
ただいくつか気になる点が。闇の武との闘いでは、剣心が原作やovaよりずっと呆然自失としていて辰巳(北村さん)との戦闘時には目まで瞑りかつ辰巳は刀まで装備しているもんだから、辰巳が斬られるまであまりにもナメプしているように見える、という点が一番残念だった。
総じて、役者さんの演技、脚本、演出、音楽ともに良かったが、特に画面の美しさがえげつなかったので、それだけのためにもう一度観に行きたいくらい。
剣心と巴の過去を埋めるストーリー
シリーズ最終でこれとは、ちょっと物足りない。。
前作で、大方出てるストーリーに未公開部分を足したような感じ。特に真新しいこともないし、確かに今回で少し穴の空いた部分が埋まった気はするが。
まあ佐藤健と架純ちゃん目当ての人は満足するかもしれませんが、ストーリー的にはまあまあでした。
まぁまぁかな
1作目からずっと見てきました。
直前のFINALでほとんど見たシーンだったので、まぁそうだよね、とストーリー自体は予想通りで。
最後に、鳥羽・伏見の戦いに向かう前に巴が亡くなったので、1作目の「やっときたか。新しい時代が。。」のセリフに繋がるところは良かったですが、
FINALでもラストの縁との戦いのあと、左之助は包帯なのに剣心だけすっかり治っててちょっと違和感でしたが、
今回も巴がまだ亡くなった直後で寝かされているなら胸に矢が刺さったり背中を斬られたはずだけどめちゃめちゃ治ってる雰囲気で傷があるように見えず。。数ヶ月後に体の傷が癒えた頃、桂小五郎さんが訪ねてきたのかと思ったら、
まだ巴が寝かされているタイミングで、剣心の体の傷の治り具合に違和感が。。
全体的に淡々としている感じで、FINALは縁のカッコ良さで5回見ましたが、今回はもう見なくていいかな、と思いました。
ただFINALで少ししか出番の無かった北村一輝さんの出番は沢山あったので、そこはとても良かったです。
桂小五郎さんが、剣心のあとを継いだ人斬りのことを話してたけど、そこで志々雄だと名前も言って、前前作までの繋がりが分かるようにしてほしかったな、と少し残念でした。
あと今回の主題歌、せっかくONE OK ROCKなんですが、ワンオク好きで昔横浜スタジアムにライブを見に行ったくらい好きなんですが、今回の曲はイマイチメロディーが響かず(涙)。FINALのメロディーは思わず口ずさむ良作だっただけに曲も残念。。
やっぱり1作目に繋がる今作、映画のタイトルがBeginningで、1作目の主題歌もまさにBeginningというタイトルだから、
新しく書き下ろさなくても、また最後に1作目の主題歌を流してキレイに締めくくってほしかった、と思いました。剣心にはやっぱり最初のBeginningという曲が一番しっくりくるな、と思いました。
また新田真剣佑さんが演じる縁と、1作目の剣心が見たくなりました。
でも長い間の作品、佐藤健さん、お疲れさまでした!
憎しみから愛へ、不殺の誓い
10年で5作。
近年の実写邦画で、これほど長くヒットし続けた人気シリーズも無い。
遂に最終作。
それにしても今回の最終章はちとややこしかった。
前編が“Final”。
この後編が“Beginning”。
普通、逆では…?
しかも、『Final』でハッピーエンド的に完結してしまっている。
これ以上、何が描けるのだろう…?
…いや、描ける物語はまだあった。
緋村剣心。
ミステリアスな男。謎に包まれた素性。
その過去は一応シリーズの中でも触れられてきたが、あくまで断片的に。
しかし今回は一つの物語として。
伏線が繋がり、全ての謎が明かされた時、映画『るろ剣』は万感のフィナーレと始まり(Beginning)を迎える…。
明らかに今回は、シリーズの中でも異質。
まず、作風。
これまでは一貫してエンターテイメントだった。1作目は最も王道。『京都大火編』&『伝説の最期編』は最も大スケール、『Final』はコンパクトに纏めたオーソドックス。それらに対し本作は、暗く重い。
これまでは良くも悪くも少年漫画的展開。脅威的な強敵が現れ、一度ピンチに陥るも、最後は逆転する。一応今回も対する新撰組の他に、命を狙う隠密集団が登場するが、それらと戦うのがメインではない。
映画『るろ剣』と言えば、アクション! これまで超人的で邦画最高峰とも言えるアクションに興奮させられてきた。勿論今回もアクションはある。…が、今回のアクションにカタルシスさは無い。
“人斬り抜刀斎”と呼ばれ、逆刃刀ではなく真剣を使っていた頃の剣心。アクション・シーンは残酷。
剣心自身も優しさやユーモラスさの欠片も無く、「おろ?」も「ござる」も無く、一人称も“拙者”ではなく“俺”。
そんな彼を変えたのは…
かの『スター・ウォーズ EP3』のように、今回の『Beginning』はこれまでのシリーズや前作『Final』の回想エピソードから、大まかな話やそれどころかオチも分かり切っている。
新時代到来を信じ、長洲藩の元で人斬りとして暗躍していた剣心。
一人の若い見回り志士を斬り、己の所業に葛藤してきた時、出会う。
酒場で男共に絡まれていた所を助けた女性。巴。
孤独な男と孤独な女。何か悲しいものを抱えた両者。何処か似た者同士。
池田屋襲撃後、新撰組に勢い押され、長洲藩は身を隠す宿に居られなくなり、散り散りに。剣心と巴は人気の無い農村へ。
あくまで形だけの夫婦のような暮らしの筈であったが、静かで穏やかな暮らしが徐々に形だけではないものにしていく。
距離を縮めていく2人。
惹かれ合っていく2人。
剣を鞘に収めた幸せな時が流れていくが…
『Final』を見ていれば別にネタバレではないが、敢えて伏せ。
巴にはある衝撃の真実が…。
それを知って、剣心は…。
コロナを経て待望公開されながらも、思いの外賛否の声激しかった『Final』。
ひょっとしたら今回は、それよりももっと激しく分かれるかも。
今までのような超人アクションが見たい人には期待外れだろう。
と言うかそもそも今回は、アクションがメインではなく、ドラマがメインなのだ。
そのドラマも、少年漫画実写化作品の中で、なかなかお目に掛かれないほど重厚で見応えあり。
ドラマチックで、これは剣心と巴の哀しきラブストーリー。
全て分かっていても、ここまでじっくり描かれると、非常に胸打つ。
剣心役として、本作が最も難役であったであろう。最後でもあり、佐藤健が全身全霊で体現。
そして大トリを飾ってくれたのは、有村架純。巴に込めた美しさ(着物姿は色気すら漂う)、哀しさは絶品。武井咲は何だったんだ?…ってくらい。(失礼)
ちと不満は無い訳ではない。
2人のドラマがメインなので、お馴染み江口洋介やせっかく今回初登場の桂小五郎=高橋一生や沖田総司=村上虹郎を迎えたものの、これまでと比べるとアンサンブル色は薄く…。
特にガッカリだったのは、隠密集団の首領、北村一輝。噛ませ犬だった…。
そのクライマックスのアクション・シーン、『Final』で見て剣心が勝つのを知っていたのが、痛手。
それを如何にスリリングに見せるか。例えば、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のクライマックスはいつ見てもハラハラドキドキさせられる。ちと技巧が足りなかったか。
しかし、この10年5作に及ぶ監督・大友啓史&アクション監督・谷垣健冶には最大級の賛辞を贈りたい。2人の功績は邦画アクション史に残り続ける。刻まれ続ける。
スタッフたちも勿論。ドラマチックな佐藤直紀の音楽。細部まで造り込まれた美術、衣装、ヘアメイク。これまではスピーディーだったが、今回はじっくり見せた編集。ダイナミックな映像。
クライマックスの農村の雪景色。画になる美しさであると共に、あのシーンになった時、私は悲しくもなった。
避けられない悲劇が…。
何が剣心を変え、“不殺の誓い”を立てさせたのか…?
愛した妻をこの手で斬ってしまったからでもあるだろう。
そんな妻が教えてくれた。
愛は憎しみに勝る。
巴は憎しみを持って、復讐の為に剣心の前に現れた。しかし共に過ごす内に剣心を心から愛するようになり、最期は身を犠牲にして…。
元々は許嫁を斬った相手。愛せる訳が無い。が、憎きこの男にも心があった。
変われる。時間をかけて。彼も。私も。
命をかけて教えてくれた妻に応えれねばならぬ。
もう二度と人は殺めない。
それでもきっと、戦わなければならない時がやって来るだろう。
再び、剣を握る時がやって来るだろう。
しかしその時は、殺めず、命をかけて守りきる。
不殺の誓い。
この逆刃刀に賭けて。
亡き妻への想い。
新たな大切な“家族”の為に。
レビューの中に、『Final』と『Beginning』の公開が逆の方が良かったという声が多々ある。
私はそうは思わない。
最終章前編はハッピーエンド的に締め括り。
最終章後編は全ての謎や伏線回収。同時に、また1作目が見たくなる憎い構成。
タイトル通り、終わりで始まり。
流浪人剣心の物語が、ここに。
きゅーっと切なくなりました
グランドフィナーレイベント生中継で見に行ってきました。
佐藤健くんが、北村一樹さんのことを、「こう見えてとても気がつく方なんです。ご飯を食べるシーンで、茶碗の欠けたものを使ってるんですが、そういうのも細かくスタッフさんが作られていて、その欠けたところをあえて映るように持っていたりしてるんです。ですよね?」と振ると、照れたように笑って「そんなところに気づく君がすごいよ」と。全くその通りで、自分の演技でも大変だと思うのに、他のキャストの細かいところもよく見られて気づけるってすごいなあと思いました。
そのシーン、ガン見していたんですが、一瞬すぎて見落としました…残念。
京都編はやはり地元だけあって嬉しい。祇園祭のお囃子が聞こえてきたら、そっちが気になって、セリフを少し聞き漏らしてしまいました。
ファイナルの時におっしゃっていたように、健くんかなり痩せて見えました。最初は心を無にして、とりあえず切る、という感じでしたが、巴に出会って、だんだん心が穏やかになり、心を許していっている様子がきゅーんとしました。新選組の追ってから逃げて、全力で守ろうとするところとか、たまりません。
一緒に農村で暮らして、幸せそうなところとか本当に美しいです。雪がまたいいですね。
切なくて儚くて、とても合っていました。
静と動があるのですが、どちらかというと静が多くて、健くんがいうようにたしかに別の映画を見ているみたいでした。ファイナルとbeginningと同時に撮影していたけど、場所も衣装も違うし、全く違う感じでスッと切り替えられたそうです。
そしてこれを見たら、最初から見たくなるのもわかるなあ…。
本当に素敵な映画をありがとうございました!
最後の5分
OVAをリアルタイムで観て、サントラまで購入し、現在でもin memories〜kotowari〜はヘビロテしてます。それをきっかけに幕末にハマり勿論原作も全巻所有している程度の人間の意見です。
実写追憶編、ずっと楽しみにしてました。
内容、概ね良かったと感じます。
ただ、数点思うところを書かせてください。
①剣心と巴の関係性の構築について
小萩屋のシーンですが、殆ど会話も無く、剣心をただ見つめるだけの巴の描写が多く、OVAで描かれた池田屋事件の巴の『あなたがいつまで人を殺め続けるのか見届けたい、この目で確かに』などのやりとりが無かった為、なぜ巴が剣心に惹かれたのか謎
②エンディングについて
巴を殺めた後、OVAでは巴の亡骸の前で只々うなだれている剣心の元に桂がやって来て、桂の『俺の誤り、飛天な剣は旧時代を壊す為で無く、新時代を守るために使うべきだった。。』
のコメントが無かったのが残念。
剣心ま普通に農作業や食事してるので、
あれ、剣心意外とヘッチャラなんじゃね?
って思っちゃいましたり残念。
そして、一番ダメなのは家を燃やしてからの描写。
OVAでは、京に戻り遊撃剣士となり新撰組と対峙し、雨の中眠る剣心を巴が優しく抱きしめるといった最高の演出がありましたが、桂が実写では丸々カットされ、過去に見た鳥羽伏見のシーンのみ。
これだけは本当にがっかりしました。
追憶編はエンディングで決まると思っていたので。
ただ、沖田との勝負、残酷描写は良かったです。
原作よりも
人斬り仕事のシーンが多くて、斬るごとに荒んでいく描写もよく伝わってきた。
その罪の大きさ、苦悩、人を斬らないと決めてからも闘い続ける理由がより伝わってくる。
巴との生活シーンは2人とも無口だし静かで、ゆっくりした感じが長く感じた。これちゃんと終わるの?ってくらいに。でも短くすると薄っぺらくなるんだろうな。
個人的には沖田総司との戦闘が好きかな。アクションがという意味ではなく、沖田vs抜刀斎というカードが実現したという意味で。
実は池田屋に剣心も向かってたという所では、あーそこに繋げちゃうんだーって感じだったけど沖田との戦闘を実現するのに決して無理のないシナリオだったと思う。まあ沖田が血を吐いて結末なんだろうなというのは分かりやすいけど嫌じゃない流れ。
池田屋から逃れた望月亀弥太(だったかな?違ったらゴメンなさい)は沖田に見つかりトドメを刺される寸前で剣心が現れ2人が戦闘、おそらくその間に長州藩邸前で自決するという流れなのかな?
原作にないシーンがより面白いと感じた。それは実写版として成功と言えるんじゃないだろうか。
追記:冒頭のシーンを見てどうしても某海賊キャラを連想してしまうが、原作でも剣心は鎖で縛られたまま同様の仕留め方をしている。パクリかのようなコメントが散見されるので一応。
『あなた』
これはちょっと芯にくる作品です。いやいや、良いものを観た。シリーズ最高傑作と謳ってますが間違いなくそうでしょう。登壇挨拶があり作品鑑賞前にそれもみたのですが演者の方々も仰ってましたがこれまでとは「まったく別の作品」、MCUで言うと「ローガン」のようなと例えられるでしょうか。あれも観たとき震えましたが今作も同じ匂いを感じました。
ともえさんと仏様のシーン、美しかったです。そしてそこにすべてある。最後のセリフの『あなた』の二重性とそのとんでもない広がり。呪いとも愛とも取れるともえさんの最後の行動。刻まれた傷が十字であり、ともえさんの想いやその後の剣心の活躍を考えるとまさに救世主を産んだマリア、キリスト教まで思考が拡がらざるを得ません。
アクションも迫力抜群。最後の闘い含めてほんとにキャラクターではない緋村剣心という人間がそこにおりました。
いやー、ほんとに良い作品を観た。うん、書いてたら星の評価を修整したくなりました。修整します。傑作。
最終章にして全ての始まり
まず最初に完結おめでとうございますと監督、キャスト、スタッフの方々へ伝えたい。
原作ファンである身としては実写映画一作目が決まった時には正直不安でしたが、想像を遥かに超えるクオリティに一気に魅了されました。
そしてシリーズ5作目にしてついに完結と言う事で、やはり期待を裏切らない仕上がりでした。
今作のメインである剣心と巴の関係や、剣心が人斬りを辞め不殺の誓い立てるようになるまでの経緯が丁寧に描かれていて、原作で重要なシーンも忠実に再現されていたなと感じました。
キャストが発表された際に巴役が有村架純さんというのは正直イメージと少し違うかなと思っていましたが、やはり女優さんとは凄いもので巴のミステリアスな雰囲気や徐々に剣心に心を許していく様を見事に演じていらっしゃり、鑑賞中は巴にしか見えませんでした。
そして何より10年前から剣心を演じている佐藤健さんの外見の変わらなさが凄い。
しかし、外見は変わらずとも一作毎に少しずつ変わっていく剣心の内面を違和感なく演じていらっしゃり、この役と真摯に向き合ってこられたのだなと感服いたしました。
また、前作までのるろうに剣心とは違い、人斬り抜刀斎時代の物語と言うこともあって純粋な時代劇物としても楽しめる内容なのではないかと。
書きたい事が多くて上手く纏まりませんが...笑
FinalとBeginning
それぞれが素晴らしい作品ですが、2作揃って真の最終章だと思いますのでお時間のある方は是非連続で鑑賞してもらいたいです。(どちらから見ても楽しめると思います)
そして一作目がまた見たくなると思います。
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