劇場公開日 2020年2月14日

「世にも奇妙な物語」ドント・ゴー・ダウン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5世にも奇妙な物語

2022年2月18日
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第二のウーヴェ・ボル監督が現れたようだ。トム・パットン監督。アクション映画にSFやらホラーやらの要素を加えると欲張って回収しきれない凡作を生むことは百も承知で本作を製作したのだろう。その心意気に拍手を送りたい。
トム・パットン監督は本当に映画オタクな監督なのだろうが、その心意気でジャンル系映画を担う大きな存在になって欲しい。

タイムリープSFなのだが、戦場でのある行いがそういった結果を招いてしまうという事で、それを正すために繰り返しの無限ループに挑んでいく物語だ。多くの無駄な死を招く戦場にて、任務外という事で民間人の救出をしなかった隊員たち。この様な一人の人間としての行いを正すことで、ようやく開放されたように思える描写。B級映画だが、人の心を映し出したドラマでもあるのだ。

本作の見所のタイムリープは、何と階段。いくら登っても上階に着かず、出た先が先程いた戦場である。死んだらある地点からまた振り出しに戻る事は出来ず、失った命は戻らないのも他の作品と毛色が違うところだろう。ただ、100分の本編で同じ階段を登るシーンを見せられるのはかなり苦痛だ。正直序盤から中盤まではかなり退屈。何度も寝てしまった。終盤に差し掛かるに連れて、タイムリープものの醍醐味が味わえるのだが、同じ単調な映像と、戦闘シーンでは特に青白い画面になっているのである。この配色が観る気を削ぐもので、何度も止めようかと思ってしまった。予算不足は見ての通りだが、予算や脚本自体では大作になっていたであろう。非常に残念な物語であった。

Mina