劇場公開日 2020年2月7日

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「アイデンティティの崩壊と再構築」スキンウォーカー KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アイデンティティの崩壊と再構築

2020年2月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

他人の肉体を奪わなければ生きていけない。
そんな生き物の愛と執着、悲しき運命のストーリー。

主人公の見た目が短いスパンで変わり続けるのが新鮮で面白い。
年齢も性別も生き方も全く異なる人間に移り変わっていくのに、一貫して「主人公」に見えるので不思議な感覚になった。

しかし、かなり唐突に物語が進んでいくので、興味を持てないままただひたすらにボーッと観てしまっていた。
哀愁漂うモノローグ的なナレーションは雰囲気たっぷりで良いのに、どうしても「誰がどうなってもどうでもいい」と思ってしまう悲しさ。

このままボケーッと終わるのかなと思いきや、最後の急展開で少し高まることができた。
アイデンティティの崩壊、それまで「こう」と信じていたものが「そう」ではなかった衝撃。
そこからのアイデンティティの再構築はなかなか胸熱じゃない。

そしてアレのビジュアルが最高。
私の好きなモノをそのままドーーンと置いてくれて嬉しい。ドゥルドゥルの肉大好き。
腐った肉体の描写も素敵だった。
身体に空いた穴から白い液体が出てくるとか、爛れたうなじとか、やっぱりキュンとしてしまうじゃない。

KinA