劇場公開日 2020年6月12日

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「4人姉妹、それぞれの自立と結婚観。」ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.04人姉妹、それぞれの自立と結婚観。

2022年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

有名なオルコットの自伝的小説『若草物語』を新しい視点で実写化。

監督・脚本はインディーズの女王・グレタ・ガーウィグ。
はじめてメジャーな大作を監督しました。
主演はシアーシャ・ローナン。
(出来る女なら、任せといて・・・ねっ!)

監督と主演のシアーシャの2人はmee too運動の騎手のイメージそのものなので、
溌剌と生きる小説家志望のジョーの生き様が鮮やかに浮かび上がる傑作に仕上がりました。

時代は19世紀半ば、南北戦争時代のマサチューセッツ州ボストンです。
マーチ家の4人姉妹の次女ジョー(シアーシャ・ローナン)は、作家を夢見ています。
冒頭から出版社に小説を持ち込むシーン。
作者は自分(女性)とは決して名乗りません。
女が小説を書くなんて・・・そんな偏見の根強いアメリカ出版界でした。

この時代女性が表現者として認められることも、経済的に自立することも困難だったのです。
でもジョーは信念を変えません。
たとえ隣家のローリー(ティモシー・シャラメノ)が、どんなにジョーが好きでも、夢の実現のため、文学修行のためニューヨークに勉強に行ってしまうのです。

「若草物語」は女の子の定番の小説。
私も子供の頃、メグ、ジョー、ベス、エイミーの4姉妹のストーリーに夢中でした。
ジョーは私のヒーロー。ローリーとジョーのロマンスに本当にヤキモキしました。
そしてベスの病に心を痛めました。

家計を助けるために長い黒髪を売ってお金を渡すジョーのエピソードにどんなに驚いたものか・・・
鼻の低いエイミーが洗濯バサミで鼻をつまんで寝る姿は、鼻の低い私も真似したものです。

それにしてもちゃっかりモノのエイミー。
お金持ちの叔母さん(メリル・ストリープ)にくっ付いてロンドン遊学とは、まったくモー!!
ジョーの気持ちを考えなさいよ、ねーっ!!
(まだまだお金持ちと結婚するのが一番の理想で、女の幸せ・・とされた時代です)
だからこそ、自立した生活を目指すジョーがひたすら格好いいのです。

ティモシー・シャラメ君はシアーシャには、ちょっと軽くて若くてお茶目で、弟みたいでしたねー。でもトビキリの美形でチャーミングでした。
おまけにエイミーとローリーは???なんですよ、いつの間にか!!

ベスの重病、戦地の牧師のお父さん。慈善家の優しいお母さん。
19世紀半ばのアメリカの生活や女の子の生き方や衣装・髪型・インテリア。
お父さんが留守の家庭の心細さや寂しさ。
「若草物語」の4度目の映画化は、ジョーが小説家になるまでの物語。
女性の自立は永遠のテーマですね。
細やかな日常を描いていて、辛い戦争やベスの病気が影を落とします。
それでも4人姉妹は志たかく、それぞれが輝いていました。
すべての女性にオススメです。

過去鑑賞

琥珀糖
CBさんのコメント
2023年4月13日

このレビュー、楽しそうですごくいい感じでした。ありがとうございました

CB
caduceusさんのコメント
2023年4月12日

シアーシャ・ローナンは私の好きな女優さんですが、なかなか演技も素晴らしい。フローレンス・ピューもいい女優さんですね。

caduceus
2023年4月11日

コメントありがとうございました☆こちらも観に行きました❀

美紅