劇場公開日 2021年3月12日

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「スポ根超えて命懸け、全面に出す命の尊さにまさかのカウンター」ブレイブ 群青戦記 たいよーさん。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0スポ根超えて命懸け、全面に出す命の尊さにまさかのカウンター

2024年4月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

正直舐めてたら、序盤から容赦がなくて引き込まれてしまった。命の軽い時代に飛ばされながら勇猛果敢に生き抜こうとする高校生の姿にグッときた。

始まって早々、バッタバッタ人斬って高校生死んでいくし、爽やかスポ根系SFストーリーとは程遠いモノになっていた。しかもちゃんと血も出して。女の扱いを軽くしているのは時代的なエッセンスを出そうとしたのだろうけど、まあまあリアリティあって怖かった。というか残酷さを出しすぎて受け入れるのに時間がかかった…。

ただ、それもあってか、命を重んじられない程の時代に来たことを受け入れ、ただ自分が磨いたスポーツを活かして生き残ることを決める姿は熱い。それでこそスポーツの熱さでもあり、仲間のために駆られる者の勇ましさでもある。そこを上手く引き出した作品になっていて、次第に命が重く響いてゆく。確かに有耶無耶にしている部分はあるが、儚く散っていく者を軽視できない自分がいた。そんなに悪くないけど、作品としての面白さは何か足りなかった気がする。

主演は新田真剣佑さん。今や聖闘士星矢…だが、ネガティブを持ち合わせた役どころが上手いし、邦画ではこの様な部分が見たい。いざとなると頼れる辺りと葛藤が似合う。山崎紘菜さんもサバイバルで生き残りそうな強いイメージがハマっている。そして何より、三浦春馬さん。柔らかい雰囲気とブレない強さを兼ねた俳優はそういないよな…としみじみ。俳優の個性を活かせていたとも思う。

歴史は則った方がいいのかもしれないし、壊した方が未来には良いのかもしれない。ただ、この作品においてのハッピーエンドなのか考えさせられるラストなのもまた面白いと思ったり。

たいよーさん。