劇場公開日 2021年5月21日

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「新手の女優・俳優お披露目?宣材?映画ですか?」藍に響け バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5新手の女優・俳優お披露目?宣材?映画ですか?

2021年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

お嬢様然とした清楚なビジュアルと和太鼓と
いう違和感に惹かれて鑑賞しました。
原作未読です。

青春映画なんですが、爽やかなんですが、
吹き替えなしの和太鼓演奏は素晴らしいのですが、
なんでしょう、この全体的に薄っぺらい感じ。

ぺらっぺらです。
和太鼓のようなどっしりとした音も、
見事なハーモニーも感じない作品です。

全ての人物の動機や心情がよくわからず、
伝わらないままに全て良い方向に着地していく
全エピソード。

え?なんで部長、そんなに怒ってるの?
なんで和太鼓にそんなに惹かれる?
なんで顧問引き受けた?
そんなに根性があるのはなぜ?
なんで「逃げてる」って思えるの?
もう他にも「なんで?」が多すぎる。

なんで?に関しては大体はその人周辺の
方々の「セリフ」で説明されます。

「昔優勝した時、厳しかったんだって」
「部長としてはお前の方が上だと思ってた」
「母親譲りだね」
「バレエ一生懸命だったもんね」
「なんで親友の私に言ってくれないの?」
etcetc...

あーーーもう!であります。
なんでそうしたのか?がポイントとして重要なんですよ。
なぜ厳しかったのか?なぜ一生懸命だったのか?
そこを描いて欲しいです!
そこを掘り下げてほしいです!
そこを厚く語って欲しいです!
登場人物、全エピソードがあまねく「なぜ?なんで?」が
ないから薄いのです。ペラッペラなのです。
厳しかったから厳しいのではないのです。

なんだかなぁ・・・とモヤモヤしながらスクリーンを
出たら合点がいく光景が目に飛び込んできました。
映画のチラシ棚です。
そこには本作のチラシがありました。
主要演者(男性一名含)8名それぞれがアップになった
8通りのチラシです。
きっと、ファンは推しの女優(俳優)さんバージョンを
持ち帰るのですね。

あー、なんだこれはお披露目、宣材作品か、、、と。
ファンのための作品なんだ・・・と
昔よくあったジャニーズのアイドル映画相当なんだ、、、と。
膝をポンと叩きました。なるほどね。

お披露目作品故に売り出したい俳優、女優さんのエピソードを
分け隔てなく、多少の強弱あるものの盛り込まないとね、
その方々の良いシーンを準備しなくちゃね。
そりゃぁ、薄っぺらなエピソードが拡散しますよね。

納得です。
でも、残念ながら僕は誰のファンでもないし、
ファンにも慣れなかったので満足できませんでした。

令和の宣材映画でした。残念。
あ、でも原作通りの内容だったらすみません。

バリカタ