劇場公開日 2020年2月7日

「みんな呪われよう!!!」アントラム 史上最も呪われた映画 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5みんな呪われよう!!!

2020年2月18日
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鑑賞方法:映画館

「観たら、死ぬ」だって?
観るしかないじゃない。
「呪われたフィルムの封印を解く」だって?
観るしかないじゃない。

謳い文句の力と信じる心の力を痛感する映画だった。
不気味なフィルムに強烈なキャッチコピーを付け、尤もらしいエピソードと証言を纏わせ、その付加価値の強さで押し通した作品。という作品。

「本編」自体は、ホラー映画としては正直あまり面白いとは思えないシロモノである。
テンポは最悪で起きることは陳腐でしかなく、とにかく退屈。恐怖も何もあったものじゃない。
所々でショックを挟んでくれるのでギリギリ楽しめる程度。

ただし、面白くなくても好きなポイントは多い。
云く「人為的」に挟み込まれた出処不明のスナッフフィルム的な映像はパンチがあるし、わざとらしく焼き付けられた紋様や残像はどうしたって不気味だし、謎の2人組の行動にはゾッと来る。
ファラリスの雄牛的なやつ大好き。
謎の日本人おじさんも大好き。

特に幼い子供が悪魔に深入りして狂っていく様はなんとも背徳的で良いものである。
悪魔と長時間目を合わせることで苦痛が生まれたり、銃口を真っ直ぐに向けられて心許ない気分になったりと、映画的な完成度は低くともホラーとして工夫はされているんだなと思った。

別に、そのままでも観られる作品ではあるのだ。
「飼い犬が死に傷心の弟を慰めるため、姉の吐いた優しい嘘はやがて悪夢を引き起こす!」とか何とか宣伝文句をつけて、「本編」だけを上映したっていいのだ。
わざわざインタビューやら解説やらを付け足してドキュメンタリータッチになどしなくても良いのだ。

しかし、そうしないことで生まれる圧倒的な不安感の強み。
「観た人間が相次いで不審死している」「呪われたフィルムである」ことを頭にぶち込まれた後に観ることで、元々の作品が持つ不気味さは何倍にもなる。

あぁ、観てしまった。また映画から呪いを貰ってしまった。死にたくないなぁ。
と、暗い気持ちになった劇場からの帰り道。
「ANTRUM」に出演した人は無事なのだろうかと、名前を検索したところでズッコケてしまった。

いやいや!!!悪趣味の極みか!!!いやいやいやふざけんなって!!!なあ!!!いや最高なのか!?!?最高なのかも!!!最高じゃん!!!完全にやられた!!!そりゃそうか!!!そうだよねそりゃあね!!!無理だよねそんな!!!いやーーーファックファックファック!!!逆に!!!逆にね!!!呪いだよねある意味!!!ありだよ全然!!!全てアトラクションだね!!!こういうサプライズ!!!好きだよ!!!私は!!!ずっと!!!ホラー映画が好きだよ!!!ホラーは自由!!!怖くて楽しければなんでもいいよ!!ホラーが好きだーーーー!!!!!ウォォォォォォーーーー!!!!ホラーーーーーーがすきだーーーー!!!!!!!!!!

と叫びながら死にゆく24歳の冬、また新たな恐怖を求めてホラー映画とホラー小説を漁る日々を送るのである。最高じゃんね。

KinA