劇場公開日 2020年9月25日

「設定はよくできているし、主人公たちも光り輝いていて、楽しめる映画でした。」映像研には手を出すな! お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0設定はよくできているし、主人公たちも光り輝いていて、楽しめる映画でした。

2020年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ストーリーは学園物。
学内に増殖しすぎたサークルを、片っ端からバッサバッサと統廃合していく「大・生徒会」と、その魔の手をスリ抜けようとする映像研の3人の闘いの物語です。

アニメが好きなんだけど他人とツルムのは苦手なので、自分の思うがままの作品を作るために、アニメ研究部とは別に映像研というサークルをデッチ上げた、レジスタンスって言うほどには尖ってもいない、良い雰囲気の3人組が、学校側の意向を汲みつつ学園のあらゆるものを支配下に置くことを目指す大生徒会に対抗して闘うさまを描いた映画で、死ぬほど楽しめました。

こういう、権力と癒着しながら勢力を伸ばす敵方の「生徒の大群」対、権力のスキマをうまく突きながら進む味方という造形は、現代がそういう時代だからなのかも知れませんが、リアリティーをもって描かれていて、十分にアリだと思います。

山下美月は、美人で、かつ自分が美人であることを知り尽くしていて、小狡くて、それなのに、じつはアニメを描くのが死ぬほど大好きという、「そんな人、普通はおらんやろー」と思う設定をうまくこなしていました。

斎藤飛鳥は、超変人で内気なおブスの天才を演じていて、魅力が逆に爆発しているというか、これも素晴しい演技力だと感心しました。

あと、脇役に関して。
これは東宝の本社サイドの事情なのかも知れませんが、「浜辺美波のスケジュールを一日だけ押えられたから、それじゃ気象研のエピソードにでも突っ込んじゃえ」みたいな感じの、ほとんど誰とも絡まないヘンテコリンなシーンがあって、違和感満載。

浜辺美波という名前を映画のクレジットに入れることが最大の目的だったのかも知れませんが、でもこんなシーンでも上手に演じてしまえるのは、さすがは浜辺美波なんですけどね。

お水汲み当番