劇場公開日 2022年2月25日

「「人々は愛のために殺しを犯す」 「あなたは分かってない。  人は愛のために何でもする」」ナイル殺人事件 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「人々は愛のために殺しを犯す」 「あなたは分かってない。  人は愛のために何でもする」

2022年4月17日
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あゝ、愛…いつくもの愛(と事件)の秘密が絡み合う本作は、例えば前作ほど豪華キャスト的側面は押し出されていないかもしれないけど、間違いなく前作より面白くパワーアップしていた。愛は盲目とはよく言うけれど、動機含め今日まで通ずる愛の力あるいは怖さがある意味で普遍的(ヒモ?尽くす体質?)。
題材テーマ的にもエルキュール・ポアロの昔パートから始まるのも納得、あの特徴的なヒゲの謎。度重なる映像化であまりに有名な真相の前作が一種答え合わせだったのもあるかもしれないけど、それに対して今回は異なり純粋にその場に乗り合わせた一観客・乗客としてすこぶる楽しめたし、昔ながらのミステリーのロマンチックな雰囲気に充分酔いしれられた。ロン・ハワード監督にとってのラングドン教授シリーズ並みに、いや、もっと映画人ケネス・ブラナーの手によって続けていってほしいシリーズだ。
多少エンジンがかかり出すまで時間がかかっても豪華客船に乗り出せばフルスロットル。乗り合わせる乗客 = 容疑者たちのキャラ設定など少し本シリーズ映画的前作『オリエント急行』とも重なったけど、起こる事件数やその幅含め前作からの振り幅で余計に楽しめる。にしても後ろのスクリーンに実景乗せて同時撮影していたという前作の雪山と違って流石に、今回は始終CGだらけの世界だった気がする。カラコレなど映像の質感が少し気取りすぎて、たまにやらかしている気もしてくるほどだったけど、まぁ当時のエジプトとなると仕方ない。一乗客といえば、なんて後味の悪いクルーズ。『野性の呼び声』『ジャングルクルーズ』そして本作と、マイケル・グリーン脚本船旅3部作ここに完結か

"People kill for a love."
"We can be strong."
裕福になってお気の毒です

とぽとぽ