劇場公開日 2022年2月25日

「プロローグが一番良かった」ナイル殺人事件 RT65さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0プロローグが一番良かった

2022年2月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

ポアロの捜査方法がとりあえず全員に〝お前が犯人だろ!〟と決めつけて恫喝し相手の出方を伺う昭和鬼刑事スタイルなので正直知的に見えないし、段々とロシアの時間装置を駆使するマフィアに見えてくる。謎解きも証拠を全く提示しないので説得力がイマイチ無い。

登場人物も無駄に多いだけでミスリーディグな描写も特に無いので自ずと容疑者は絞れて来る。

しかし一番気になったのは、これらの一連の作品って「美食家ポアロの推理紀行」的な意味合いも有ると思うのだが(仕方がないとは言え)屋外でさえもセット撮影と、遠景は実景にCGで加工しているので抜けの全く無い閉塞感の強い気持ち悪い景色になっている事だ。
またそのCGのクオリティも微妙で、遠景の砂漠がパターンの繰り返しみたいだったり陰影は有るのに立体感が全く無かったりだし、見せ方も空撮シーンはパンして来るとレンズフレアがキラリみたいな二昔前の表現になっているのが残念だったな。

全体として「優雅なナイルクルーズでミステリー」といったロマンチックな雰囲気ではなく「現実感の無い悪夢の様な空間で陰惨な殺人」みたいな、サイレントヒルみたいになっていた…。

RT65