「初のNETFLIX作品」イン・ザ・トール・グラス 狂気の迷路 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5初のNETFLIX作品

2021年1月1日
Androidアプリから投稿

NETFLIXに加入して初めに観たのが本作。
「クローバーフィールド・パラドックス」目当てだったのが思わぬ脱線だ。
正直ネット配信限定という概念がどうしても邪魔をしてしまい、劇場未公開の「そういう」作品だという偏見を持っていたが、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督と聞いて「えっ?」と思い鑑賞した。

アメリカ人は周りに高い草(トールグラス)が生い茂った一本道には何となく恐怖を感じるものなのか。過去にも似た設定のホラーを何作か観て思ったのだが、確かに不気味といえば不気味だ。ましてや中に入ろうとは絶対に思わない。だが、登場人物らはこぞって中に入っていく。

本作には決してチェーンソーを持った殺人鬼や、案山子さんは出てこない。本作の恐怖はタイトル通り植物の生えるその環境そのものが恐怖なのである。その土地にはある物があり、それが生み出す異質な何かを巡るホラーとなっている。映像的には地味だが、それがかなり怖いのである。広い土地なのに閉所に対する恐怖感がひしひしと伝わる。スティーヴン・キングの短編が原作との事だが、やはり明確に何がこうなって・・・という答えは残念ながら得られない。だがその反面得体のしれない何かに侵食されていく描写が中々の恐怖感であった。好みは分かれそうだが、個人的には満足出来る作品だった。NETFLIXはかなり寒暖差の激しい作品になっているが、これは当たりだと思う。ソフト化されたらコレクションに加えたい。

Mina