劇場公開日 2020年2月7日

  • 予告編を見る

「ジェニファー・ロペスが圧巻!」ハスラーズ ピンクマティーニさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ジェニファー・ロペスが圧巻!

2020年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

女性の連帯と友情、優しさを力強く描いた映画でした。
最近、第3のフェミニズムの波が来ていると感じます。それはハリウッドも然り。「スキャンダル」でも女性たちが勇気をもって男性に反旗を翻す過程を描きました。
この映画では何といってもジェニファー・ロペスの存在感が圧巻。あれが地なのではないかと思えるほど、自然で、これまでのどれよりもはまり役でした。強くて、パワフルで、美しくて、大きな母性で皆を包み込む姉御的な存在。ジェニファー・ロペスというと、マドンナと同じく、特別美人でも歌や芝居の才能がずば抜けているわけではないけれど、持っているものはすべて利用し(性的な魅力とか)、成功を手に入れてきた人一倍の野心家というイメージがあり、いつも一番前で注目されたい人かと思いきや、最後のエンドロールではコンスタンス・ウーの名がまず最初にクレジットされていたことに彼女の懐の大きさを感じました。映画の中でもアジア系である彼女の容姿や知性を認め、励まし、肯定します。仲間の「ゴージャスな」女性には、アフリカ系女性もいます。人種的にも配慮している作品だと思いました。
期待外れだったのは、ストーリーにひねりや深みがなく、中盤から中だるみし、もう少しコンパクトにまとめた方がよかったのではと思える点です。ジェニファー・ロペスのポールダンスは、ご本人より細身に見えたので、お顔が見えない部分は代役かな? それでも、ジェニファー演じるラモーナが彼女に重なるほど、母性と愛にあふれた、苦境にもめげない強い精神力を持った女性像を見事に体現し、女性の友情と連帯に拍手を送りたい気持ちになりました。

ピンクマティーニ