劇場公開日 2019年12月27日

「尾崎豊を知らない若い世代に、10代の頃の尾崎豊の楽曲や考えていたこ...」尾崎豊を探して nonchanさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0尾崎豊を知らない若い世代に、10代の頃の尾崎豊の楽曲や考えていたこ...

2020年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

尾崎豊を知らない若い世代に、10代の頃の尾崎豊の楽曲や考えていたことやカッコいい容姿の断片を紹介する映画なのかな?と思いました。
それにしては、2500円という特別料金は若い世代が鑑賞できる料金ではない。
結果、入場客は、このような映画は見る必要のない、既に尾崎豊の映像や楽曲や情報を見つくした長年の尾崎ファンが大半となっています。
映画をみたあと、どんな人たちが観ていたのだろうかと出口で調べたら、ほとんど中年以上の人達で、その中に一人だけ10~20代の男性がいました。彼はどんな風に感じたのだろうか聞いてみたかったけど、勇気がなかったです。
長年のファンにとっては新しい発見は特になく、尾崎さんを貶める部分ばかりに神経をとがらせてしまう、そんな映画になっていました。
「尾崎豊の真実」じゃなくて、「10代の尾崎を紹介~尾崎を知らない世代へ」とでもした方がはっきりしてよかったけど、それじゃ入場者は見込めないし、商売がなりたたないし。
私は65歳を過ぎてから尾崎ファンになって、街路樹や誕生が好きなので、この楽曲のラインナップは物足らなかった。街路樹には関わっていなかった須藤さんの監修だからそうなっているのでしょうか。確かに、COLD WIND、遠い空、ロザーナ、永遠の胸、風の迷路、誕生、風に歌えば 秋風など私の好きな歌はこのような映画には合わないですね。
でも「尾崎の真実」というなら、20歳以降の詩や小説や音楽も紹介してほしかった。尾崎さんの詩や小説については、なぜ辻仁成が評価されて尾崎さんが評価されないのかわからない、と思うほど、私個人は高く評価しています。ユーミンが菊池寛賞を受賞したみたいに、尾崎さんが生きていたらいつか文学賞を貰ったかもしれない。でも、この国は一度の犯罪で抹殺されてしまうから。
今歌っている歌が、自分が歌う人生最後の歌だと思って、一つの歌に精魂を出し尽くしていた尾崎さんの歌唱スタイルに、誰もが心を打たれるはず。若い人たちも、ダサいなんて思わず感動してくれるのかな?
尾崎さんの真剣そのもののまなざしに、世界に挑む羽生結弦さんが重なって見えました。

nonchan