劇場公開日 2019年11月29日

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「フィリップ・ラショー監督・主演・脚本の原作アニメ愛に脱帽!」シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション HALU6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5フィリップ・ラショー監督・主演・脚本の原作アニメ愛に脱帽!

2019年12月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

巷間での評判が良く、また、クチコミ投稿サイトでも評価が高く、親しくさせて頂いている映画ブロガーさん達も絶賛されておられる様子でしたので、他の作品の鑑賞を差し置いて、毎日auシネマ割が使用できる、滋賀県大津市のユナイテッド・シネマ大津で、フランス産の実写版『シティーハンター』の本作品を鑑賞。

結論から申し上げますと、
やはり日本とフランスの笑いのツボが違う部分も幾分かありましたが、エロさ具合は、原作コミックや原作アニメを忠実に再現し、否、流石にフランス映画だけあってそれも凌ぐほどでしたし、何よりも、顔が似ているのは海坊主(ファルコン)くらいでしたが、槇村香の実兄の槇村秀幸が殺害されるシーンをはじめ、フィリップ・ラショー監督自ら筋トレなどによる肉体改造を施して、主人公・冴羽獠に成り切っているなど、相棒の槇村香役のエロディ・フォンタンにしても雰囲気ですごく似せていて面白かったですね。
中には極端に低評価にしているレビューも散見していますが、これまでの日本の漫画やアニメをハリウッドで実写映画化した過去の『北斗の拳』や『ドラゴンボールZ』など目も当てられない失敗作を観てきていますので、原作を知らない人から観たら単なるB級アクションコメディ映画なのかも知れないですが、ここまでの原作アニメの再現度の高さの出来映えならば充分でしょう。

ジャッキー・チェンと後藤久美子さんによる映画『シティーハンター』(1993年)も無かった事にして欲しい位です!

タイトルの<史上最香のミッション>とは、冴羽獠の相棒の槇村香の名前から採用しているだけかと思っていたら、実は、この映画のためのオリジナル脚本ながらも、<その香を匂った者を虜にしてしまう危険な媚薬「キューピッドの香水」の奪回。>といった危険な仕事の依頼内容が、香水に関する事からのダブルミーニングでした。

ストーリー的には、その危険な媚薬の奪回のタイムリミットは48時間。獠と香は、時間内に香水を取り戻すことができるのか!?元傭兵の海坊主、美人刑事の冴子を巻き込みシティーハンターの香水奪回作戦がはじまる。といったお話しで、『シティーハンター』の本家の原作者である北条司先生が「この手があったか!」と納得の脚本だった様でしたし、非常に良く出来ていました。

下半身もっこりに、もっこり本、愛用の銃に、赤いミニクーパー、それに香が怒ったときに頻繁に使う大型ハンマー、そしてカラスまで、何から何まで小ネタを仕込んであって、懐かしいやら嬉しいやらで、ついついニヤついて口角が上がってしまいました。

R指定のレイティングの関係なのか、男性のイチモツや女性の乳首をアニメのカラスで加工するのは未だしも、ラブドールの乳首にまで加工を施してあるのには、逆にイヤらしく感じました。

私的には、フィリップ・ラショー監督自ら演じた冴羽獠役の熱演もさることながらも、エロディ・フォンタンによる槇村香役がすごく似合っていて雰囲気ありました。冴子はあまり似ていなかったけどフランス人女優の方々かな(?)皆さんお綺麗でしたね。

パンフを詳しく読みますと、モナコでの下着のファッションショーのパーティーで歌っていた亀仙人みたいな歌手が歌う曲が1990年代にフランスで放送されていた際のフランス版シティーハンターの主題歌だそうでした。

有名女優のジェシカ・フォクス役のパメラ・アンダーソンの控え部屋から、スキッピーとパンチョを連れ出す方法が、本当に、まさに漫画チックで、日本映画ではなかなか実写化しない様な撮影手法で、それまで笑い声を出すのを我慢していましたが、このシーンでは思わず声を上げて笑ってしまいました。

今回、有名女優のジェシカ・フォックス役にパメラ・アンダーソンを起用したのは、1990年代を象徴する存在としてオファーしたらしいです。
相変わらずお美しい魅惑的な女優さんでしたね。

エンディングには、日本上映版オリジナルだからなのかどうか分からないのですが、エンドロールの多数の挿入曲のテロップがある中央部に、小さな文字でしたが「GetWild」という曲名があったのと、本作の製作がフランス・ソニーピクチャーズ社なので、ソニーミュージック所属のTMネットワークの楽曲使用は問題ないからか、TMネットワークの「GetWild」が流れて締めと言うのも、ピタッと決まって、感動的でしたね!

私的な感想としましては、
もう満点でも間違いないくらいに、私には面白かったのですが、ただ笑いのツボが違うのか、動物愛護団体からすごい苦情が舞い込みそうな演出シーンには流石に笑えなかったでしたし、また、何よりも、無いものねだりになってしまうのかも知れないですが、これまで冴羽獠と言えば、声の出演は神谷明さんと日本のアニメ界では相場が決まっていたのを、今回の実写版は全くの別物と言うことで、神谷明さん御本人、そして槇村香役の声優の伊倉一恵さんが、このフランス製実写版については、日本語吹替を辞退されて、山寺宏一さん&沢城みゆきさんが代役で、日本語吹替され、コレはこれで良かったのですが、やはり本家本元の神谷明さん&伊倉一恵さんコンビの吹替で観たかったのが正直なところでした。
この動物虐待的な演出の趣味の悪さとこの声の吹替の点で、マイナス0.5点として、五つ星評価的には、ほぼ満点の四つ星半評価の★★★★☆(4.5点)として、続編を希望し、満点までの猶予を残しておきたいと思う次第です。

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HALU