劇場公開日 2020年10月2日

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「中国・米国・日本の文化の違いを堪能しよう! オチは、びっくりだよ。」フェアウェル CBさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5中国・米国・日本の文化の違いを堪能しよう! オチは、びっくりだよ。

2020年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

実際にあった嘘にもとづく物語、と最初に表示される。現在は、米国・日本・中国にそれぞれ暮らしている兄弟の母親(中国在住)が、余命数か月と診断されたが、それを本人には告げないという家族の決定に、合点がいかない米国在住の孫娘の話。

伝えないよ。いいかい、中国ではこういうんだよ。『ガンだと告げられた人は、ガンで死ぬのではなく、恐怖に殺される』
孫娘は言う。「(本人に言わないなんて)アメリカでは許されないよ。イリーガル(違法)だよ」 (自分もわかっていなかったが、米国では違法なんだね)

死期が決まった病人は、"(ちゃんと告げられて)ストレスなく安静な環境で過ごすべき" なのか、はたまた "(告げられることなく) やりたいことをして過ごすべき" なのか。

孫娘の父(米国在住)が言う、「西洋では、命は個人のもの。東洋では、社会や全体の一部」 というセリフ、「(告知すれば) 家族は背負わなくてよいしいいのかもしれない。しかし背負うのが息子の義務」 というセリフ。一方、孫娘が反論する 「私は移住先で不安だったのは、何も知らされなかったから。(だから祖母ちゃんにも告知すべき)」 というセリフ。どちらもうなずける。どちらがよいかを決めることは、かなり難しい判断なんだなあ。

日本に住む俺は、"告げない" という手もあるのだろうな、と中国の家族の決定をすんなり受け入れるが、米国との文化の差の大きさを感じた。米国の人が、本作を観てどう感じるのかは、聞いてみたいものだ。やはり、「ありえない」なんだろうか。

当初は、米国や日本にいった者が勝ち組み的だったのだろうが、現在は逆転気味だということは、中国に残った三男の妻が言う言葉、「中国でならすぐに金持ちになれたのに」 でわかる。それに対する米国へ行った次男の妻の必死の反撃はこういうセリフだ。「お金じゃないわ。ところで、子供はどうするの? 米国に留学させるの? 寂しくなるんじゃないの?」

おまけ
讃美歌って、こんな風にうまく使うと、心に響くね。
オチは、びっくりだよ。

CB