劇場公開日 2022年6月3日

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「ユダヤ人差別の根深さ」オフィサー・アンド・スパイ 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ユダヤ人差別の根深さ

2024年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ヨーロッパにおけるユダヤ人差別の根深さを感じる映画。はるか昔にイエス・キリストを迫害した民だからといって、なぜここまで嫌われるのかよく分からない。キリスト教圏の人間でないと分からない感覚か。ちなみに第二次世界大戦時のナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺に対して、ドイツ人の多くは無反応だったと本で読んだことがある。このことからも、ヨーロッパにおけるユダヤ人の認識が窺える。

恥ずかしながら、ドレフュス事件がきっかけとなりシオニズム(ユダヤ人の国家建国)の運動につながったというのを、この映画を観る前にネットで調べて初めて知った。

後半では、ピカールやエミール・ゾラと言った面々が、ドレフュスの冤罪解決に向けて行動を起こす。見返りがある訳でもなく、そして自分の身に危険が及ぶ可能性があるのにもかかわらず、冤罪を隠蔽しようとする軍を告発するその勇気や覚悟は、生半可なものではない。

あと、同監督の『戦場のピアニスト』でも思ったことだが、ヨーロッパの街並みや自然が美しく撮れていて、そこも見どころ。史実がベースなので仕方がないかもしれないが、ラストはすっきりしない。

根岸 圭一