劇場公開日 2020年10月9日

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「戦いは民族対民族ではなく、権力者対権力者なのだと思う」異端の鳥 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0戦いは民族対民族ではなく、権力者対権力者なのだと思う

2022年3月18日
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鑑賞方法:VOD

一年くらい前にTOHOシネマ川崎で見た。
今回、配信されていたので、3回目の鑑賞になる。
原作も読んでみた。映画と原作に微妙な違いがあると思う。
別の作品として扱えると思えた。

一つだけ注意しなければならない事は、ここで、主人公を虐げるのは、ナチスではないと言う事。それが大事だと思う。その象徴が、ナチスが主人公を逆に助ける。
この映画の各エピソードは全てフィクションだろうが、大きく見れば、ポーランドと白ロシアやウクライナ国境の近現代史と言える。ウクライナ対ロシアの以前から、虐げられたユダヤやロマ等の民族がいたし、その子孫は今でもいる。

コザックが登場するが、コザックはウクライナ人の一部と解釈される事もある。この映画でのジェノサイドを見たら、今の現実はなんだろうと思えてしまう。
やはり、戦いは民族対民族ではなく、権力者対権力者なのだと思う。従って、現在の争いは、ウクライナの政治権力とロシアの政治権力の戦いで、両国民がそれの犠牲になっていると解釈すべきだと僕は思う。そもそも、ウクライナには700万人以上のロシア人が普通に住んでいる。その国が軍事同盟のNATOに加盟すると、言い出す事自体がおかしい。あのフィンランドすら、NATOには加盟していない。因みにロシアはNATOの準加盟と聞いた事がある。

マサシ