劇場公開日 2020年10月9日

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「今でも、世界で似たような状況がいくらでもある。」異端の鳥 eimeiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今でも、世界で似たような状況がいくらでもある。

2021年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

このモノクロ映画の背景は、1940年ごろのポーランド近辺だが、その頃の日本も同じような状況であった。異質なものを排除、支配しようとしていた。
現在、コロナ禍の中、経済的な余裕がなくなり、寛容さ・大らかさ・やさしさまでが無くなり、人間の本質がむき出しになってきています。
映画と同じような状況が、現在の世界を見渡せば、コロナ禍の発展途上国、中国のチベット・ウイグル・モンゴル自治区でも現在進行形です。
一方、先進国でも生活困窮者が多数出てきています。何とか生活できている普通の人々も自分と家族のことが精一杯で、視野がますます狭くなっていき、異質なものを排除しようとする傾向が強くなってきています。(これは私自身にも言えることです)
このような現在の状況こそ、監督がこの映画で、一番警告したいことではなかったかと思われます。
長く、重たい映画ですが、現代社会と比較すると興味深いです。
『存在のない子供たち』、『レ・ミゼラブル』も同じようなテーマの現代映画です。

eimei