ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺんのレビュー・感想・評価
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北極海の厳しさと色彩の美しさ
フランスとデンマークの合作。舞台は19世紀の帝政ロシア。探検家の祖父が船長として北極点へ旅立ち行方不明に。帰ったら次の冒険は一緒に行こうと言われていた孫の少女。2年越しで私なら見つけられると北極海へ船出する。
美しかった。ベタ塗りの色と色で見せてくる新しい感覚のアニメ。北極海の氷山の海を進む船のリアルに惚れ惚れ。こんなふうに氷山の中を進み、氷山は崩れ船を破壊するのかという恐怖。
公開は2019年9月。Twitterで知って予告編観てからずっと気になっていて半年経過してやっと広島上映。自粛明け再オープンの贈り物。ありがとう。
主人公サーシャの名を呼ぶ「サーシャー!」って台詞は真似したくなるよ!
氷の世界
新型コロナ関連で休んでいた映画館の再開初日に、仕事をサボって見に行った。
見慣れた日本アニメとは違う絵は新鮮。
動画・演出は見事。過酷な海と氷の世界は迫力があった。
世間知らずの貴族令嬢でしかなかった主人公が、徐々に成長してゆく様子は胸が躍る。
登場人物のほとんどは、完全な善人でもまるっきりの悪人でもない。どこかに居そうな小市民ばかりで、そんな彼らの言動が作品にリアリティを与えていたように思う。
厳しい旅
氷を割って進む船の絵が良かった。
氷と船が当たって軋む、氷がぶつかる音とか、
ブリザードの音、画面だけだとなんだかほぼ真っ白なので、家庭のテレビではわからないと思った。
ストーリーは終わってみれば単純だけれど、楽しめた。
牧歌的なファンタジー映画かと思いきや…。
絵の調子は昔の東映アニメ映画を彷彿とさせる簡素さでしたが、様々な描写、特に雪や氷の描写が素晴らしく、見応えがありました。
物語は非常に分かりやすく、主要な登場人物も絞り込まれている上に描き分けがしっかりとされているので、置いてけぼりになることはまずありません。
主人公のサーシャは、貴族の出身であることと、(恐らく)一度も故郷を離れたことがないのに、熟練した探検家も顔負けの航海知識を持っていることを除けば、全く普通の女性です。北極探検に出たまま行方不明となっている祖父を助けたいと思いながらも、機会を得られないまま日々を送っていました。ふとしたきっかけで祖父の足どりを知った彼女は、旅立ちを決意します。
最近公開の『アナと雪の女王』の続編とは、極北を舞台としているという点で共通点があります。サーシャはいわば、(魔法が使えない)エルサの使命感と、アナの冒険心が一体化したような人物で、勇気と知恵で困難を切り抜けようとします。ところが本作は自然の脅威を見せつけることに一切容赦がありません。どこか牧歌的な絵柄の人物達だけに、過酷な状況に翻弄される様子の凄惨さがより際立っています。
公式サイトの、片渕監督のメッセージが本作を良く言い表していますね。監督の言葉通り「子供向け」とはかけ離れた作品でした。
昔見た作品
昔の東映アニメーション作品を見ているような感じでした。
まあ、単に輪郭線が描かれていないだけだと思うんですけどね。
ストーリーは純粋な冒険物で、日本のアニメによくある、「最後に祖父が見つけた壮大な古代遺跡(+ロボット)が登場!」のような展開にはなりません。
久しぶりに、まともな(笑)作品を見た感じです。
今の日本で、このような冒険作品を作れるのかな・・。
誰か作って下さい!
シンプル・イズ・ベスト
あらすじも単純明快、作画方法もキャラの輪郭線を描かずに背景もベタ塗りと、何もかもシンプル。
ところがそのシンプルさがプラスに働いた、まさに「シンプル・イズ・ベスト」。
豪雪や氷河といった“白”表現もキレイに見えるマジック。
そして主人公サーシャを筆頭に、作画的には動いていないのに活き活きとしたキャラ造形。
時おりハラリと垂れるサーシャの髪も、“活きて”いる。
サーシャの行動は一見無謀に思えるかもしれないが、原動力が祖父の名誉回復のためというあたりが、一族を重んじるロシア人気質なのかも。
サーシャと『アヴリルと奇妙な世界』の主人公アヴリルは、2019年の主演女優賞候補。
ブリザードシーンの緊迫感と絶望感は必見
2Dゲームのめっちゃ滑らかに動くオープニングみたいなアニメーションが素敵だった~。
ストーリーもいい感じ……なんだが!
連日の疲れ&寝不足で最初の30分ほど眠ってしまった!
痛恨のミス!
サーシャが祖父のために必死に足跡を追う姿はグッときた。
女将さんのもとで成長していく過程が素敵やな、と。
セリフほぼゼロで一人前になっていくのが端的にわかる。
素朴な絵なのだけど意思の強さをしっかり感じられる”表情”が素晴らしい。
周りの荒くれ者どももまた良い味出しててー。
でもコレ前半をちゃんと見てたらもっと良かったんだろうなぁ;
後半の雪原シーン。
先の見えない広さ、自然の無情っぷりはかなり怖い。
特にブリザードの場面はゼログラビティに近い恐怖感あった。
映画館で見てこそ。
雪原を頑張って乗り越えようとするサーシャと男たちの”表情”がしっかりと頭に残ってる。
その後ろに広がる広大な雪原/雪山の美しさ、そして過酷さもステキ。
暖かいカレーが食べたくなる!
そのままじゃない解釈をしたくなる展開だったな。ジブリ作品だったら色々な都市伝説が生まれそう。
氷でキンキンに冷えたアップルサイダーを飲みつついい映画観賞になった。
雰囲気あるから絶対に冬に見るべき!
ちなみに逗子の CINEMA AMIGO での観賞でした。映画.comは観賞方法のところにシネコンしか出てこないのね〜ちょっと不満。
ともかく絵が綺麗で可愛い
ぱっと見とても惹かれる作画で、最後までそのままずーっと可愛かった。ある意味古風な2D絵だけど、昔話や絵本を見ているような気分になる。
ストーリーは好奇心と冒険心溢れる少女が、仲良しで行方不明になってしまったおじいさんを探しに冒険にでる話。
サーシャは無謀さと賢さが入り混じった性格で、ハラハラドキドキさせてくれるが、一番は爽快感。スカッとする。(見ればわかる)
ただひたすらいい人、悪い人というのがいないのも、それぞれのキャラクターに深みがあっていい。
犬が可愛い。
フランス・デンマークのアニメ
日本人とは異なる文化や気候の中で生きてきた人達が描く
絵や色が楽しめました。
氷や雪の表現がなんて美しいのだろうと感動しました。
当初
あまりにもシンプルに描かれたサーシャに共感できるだろうかと心配しましたが
物語が進んでサーシャの内面を知っていくうちに
サーシャが大好きになり,成長を見守り応援していました。
北極はどんだけ狭いのだろうと突っ込みを入れたくなることもありましたが
良いお話でした。
全国の学校で上映してもおかしくないくらいの良作
雰囲気自体は昔の日本アニメーションの世界名作劇場みたいに親子で安心してみれる作品。
とあることがきっかけで、北極圏を目指すこととなった女の子が主人公。
輪郭のない独特の作画が特徴。
人間ドラマあり、手に汗握る展開あり、大人でも退屈しない話とテンポだ。
ところどころ都合のよい展開もあるが、それらが物語の良い調味料になっている。
日本では東京と京都の2ヶ所でしかやっていないかなりマイナーな作品だが、できが良いので、是非これからもいろんなところで上映会をしてほしいですね。
親子で一緒に見れる良作
絵本のような絵柄ですが、ストーリーの流れも絵本のようでとても分かり易く安心して見れます。
今のアニメ映画のように伏線を沢山はったり、細かい設定を想定したりなど、テクニカルな部分は一切ありません。シンプルで安心して最後まで鑑賞できる作品です。
腹黒い大人もいるし、ハンパ者も短気な人もいるけれど、優しい大人も、勇敢な大人もいて、かっこいい大人って、こんな人の事を言うだなって思わせてくれます。主人公のサーシャも賢くて勇気があって、でも頑固で短絡的なところもあって、好きなキャラクターです。
輪郭のないアニメワールド
景色は油絵のようは大胆さ、鼻以外のラインが見えず絵画作品みたいな綺麗さ。北極のブリザードや流氷の世界はなかなかの迫力。だけどお話が意外にご都合主義にすすみすぎ。それでもみた価値充分あるけれど。
シンプルかわいいヒロインの冒険
祖父探して北極へ向かう、サーシャちゃんが、凛々しくてかわいいヒロイン冒険活劇。
シンプルなキャラクターと背景デザインのシンプルな語り口に、発端から旅立ちを経て冒険までよどみなく進みます。
流氷や氷山の恐怖やスペクタクル。
寒さや飢えとの葛藤など。
絶望と希望と成長。
日本アニメーションとはちょっと違う映像も魅せます。
81分の上映時間にガッツリ見せ場があり、とても面白い。
世界の名作アニメ的雰囲気
キービジュアルと同じくらい色彩豊かで、キービジュアル以上の質。
全体的なストーリーはそれほど心に響かなかったけれど、丁寧で細かな動的描写が素晴らしくて、自然と引き込まれていった。
時代背景も違うし、異国の話、ましてや北極に近いところの物語だったので、個人的関連のないものばかりだったせいか、終始神秘的なものを感じながら見ていた。でもそれは決してエスニック的なものばかりではなく、このアニメーションそのものがそういう意図を持って作られていたと、見終わって知る。
よきアニメーション。
輪郭線を捨てて描かれた冒険物語
少し前のフランスのアニメ作品だが、ようやく日本語版が見れるようになった。
原題は、北極点という意味で「地球のてっぺん」。
ストーリーは1880年代前半だが、史実では、人類が北極点付近に到達できたのは、20世紀に入ってしばらく経ってかららしい。
ロシア貴族の若い女性サーシャが、北極点を目指して消息を絶った探検家の祖父の“名誉”と、失われた砕氷船を取り戻すために、「長い旅路」へ向かう・・・。
アートの面では、自分はパッと観て、1920~30年代の商業ポスターを思ったが、1940年代の鉄道会社のポスターからインスパイアされたそうだ。
輪郭線をあまり描かず(描いても黒い線は使われない)、かつ、版画のようにベタ塗りの色面で構成していく。(最初は線で起こすとしても、線画の線を最後に抜くという発想法では、こういう絵柄は作れないと思う。)
その代わり、2次元的な陰影は一つ一つ丁寧に付けており、光と影のコントラストは美しい。
原色はほとんど使われず、パステル的な少し濁った中間色が使われているが、北方の風景を描くのには効果的だ。
「シンプルな画風」とか「ミニマム」などと、ちらしに書かれているが、自分はそうは思わなかった。映像表現だけとっても、必要十分なクオリティをもち、予算不足や表現不足など一切感じない。
輪郭線を捨てたことで、豊かな表情やキレのある動作といった、マンガ的な表現は制限される。しかしその代わりに、フレーム一つ一つが、そのまま版画やポスター画であるような世界が実現している。
そもそも、“おとぎ話”には写実性は必要とされない。「髪の毛1本1本」が描かれなくても、「風に合わせてなびく髪」であれば良い。
また、音響表現がイケており、絵の写実性の不足を補っている。流氷のきしむ音や割れる音には、息をのむ。
ストーリーは、見かけによらず、フランス映画らしからぬ(?)ほど、かなりご都合主義だし、ハリウッド的でもある。
正直、「ありえない・・・」なのだが、スッキリとまとめ上げていることも事実で、“おとぎ話”と割り切った方が良さそうだ。
主人公のサーシャの絵柄は“カワイイ”が、声は低くハスキーで、“しぶとい”キャラに合っている。
大きなスクリーンと、素晴らしい音響で観ると、より楽しめる映画だと思う。
南極よりも遠い場所
TAAF2016・長編コンペティション・グランプリ受賞作
遭難してしまった祖父を探す為、過酷な北極点を目指す孫娘の物語、
荒くれた海の男達の男気と優しさに交しながらの成長譚も良く表現されてます。
人物作画は輪郭線を省く独自の手法、背景はベタ塗りの彩画。
この背景美術は目を瞠るものが有り、
行く手に立ち塞がる氷河、崩れ落ちる氷山、弄ばる帆船の動き等々、壮大さに感銘しました。
劇場の大画面で観るべきアニメーション映画です。
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