劇場公開日 2020年1月24日

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「ヴィクトリアの猫ダンスに萌え。」キャッツ ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ヴィクトリアの猫ダンスに萌え。

2020年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「怒涛の猫ダンス」。最初から最後までユニークなキャラクターの猫達が、入れ替わり立ち替わり歌い踊りまくる。どれも名曲ぞろいだから、1曲1曲をオムニバスのように楽しめればよい。それぞれの猫の性格を理解しようとしても無理だから、いろいろな猫がいるなくらいの見方でいいんじゃないだろうか。冒頭の捨て猫「ヴィクトリア」が好奇心いっぱいで動き回るから、彼女の視点に立てば「ジェリクルキャット」の世界も身近に感じられる。ミュージカルでは、グリザベラが選ばれて天上に行くのがいまいち腑に落ちなかったのだが、ヴィクトリアの視点が入ることですっきりしたラストになった。ヴィクトリアは捨てられて寂しい思いをし、ここで楽しい仲間たちと居場所を見出した。ヴィクトリアが皆から疎まれて寂しい思いをしているグリザベラに心からの同情を寄せたことで、デュトロノミーが彼女を選んだのだ(と思う)。
舞台ミュージカルを映画化することに意義があるのかと観る前は思っていたが、映像ならではの美しさ、楽しさを見せてもらった。猫の大きさが分かる巨大なセットも面白かった。猫ダンスはどれも素晴らしい出来だったが、特にヴィクトリア役のフランチェスカ・ヘイワードのバレエ風のダンスは可愛くてよかった。
ストーリーや人間関係(猫関係)がほとんど描かれないので、普通の映画のような感動はない。それをあきらめてしまえば、何度でも見れる作品ではないだろうか。

ガバチョ