劇場公開日 2022年2月11日

「今何故スピルバーグが?見て納得。」ウエスト・サイド・ストーリー まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今何故スピルバーグが?見て納得。

2022年2月19日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

オープニングからダイナミックなカメラワークにガッツリ掴まれた感じ。ダンスも街の描き方もダイナミックで迫力がオリジナルを大きく上回っている。そりゃそうだ、スピルバーグだもの!オリジナルの振り付けと変わっていて、あれ好きだったのになーと思った曲もあったが、オリジナルの振り付けを踏襲している曲もあり撮り手がファンと同じ感覚をもっているのかも。そしてマリアとトニー、予告の印象ではちょっと弱い感じかなあ、と思っていたが、実際は二人のシーンの何と美しいことか。Tonightの美しく濃密な演出は若い二人が恋に落ちたことを明確に表現していて、ため息が出るほど素晴らしかった。そして Cool! 大胆で効果的な振り付けに拍手。
結末もわかっているのに、最後に思わず涙してしまうほど、歌と演出が美しくマッチしていて、この作品はオリジナルを越える名作と言えるかもしれない。いや、オリジナルまた見たくなった。忘れてはいけないこの作品の主題でもある、異人種同士のいがみあい、差別偏見、現在でも全く変わらず存在していて、それどころかもっと複雑化しているのでは。我々は学ぶことは出来ないのか?とスピルバーグは言いたいのかもしれない。オリジナルを知らない世代の人達に、ナイフを振り回して俺たちのシマを命がけで守り、出会って1晩しかたっていない人のために命をかける純愛物語はどう写るのだろう。個人的にはスピルバーグの強い熱量を感じ、納得させられた出来映えです。

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まっちゃまる