劇場公開日 2019年9月6日

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「金持ちは何でも奪う」ヒンディー・ミディアム Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0金持ちは何でも奪う

2019年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

コメディー映画だと思っていたが、それは販促のための仮面であって、実は硬派な社会派映画だったので、びっくりした。
本作は、直接的には教育の不平等だが、教育に限らず「金持ちは、貧乏人から何でも奪う」ことを告発している。

正直なところ、「インターミッション」という表示が出る直前あたりまでは、“お受験モノ”に退屈して、熟睡していた。
ところが、後半に入って、低所得者になりすましたあたりから、がぜん映画が生き生きして面白くなった。
隣人シャームが笑わせてくれるし、泣かせてもくれて、主役の2人すら食ってしまっている。

いろんな階級、文化、宗教を内包したインド社会だからこそ、生まれた題材であることは間違いない。
真っ直ぐに心温まるストーリーを追い求めることは、必ずしも観客に媚びるためではなく、斜に構えることを許さない厳しいインドの現実があるためだろう。
結末は、「そこまでやるか」という感じだが、そこまで突き詰め、攻めていくところに、エナジー溢れるインド映画らしさを感じた。

Imperator