劇場公開日 2020年1月10日

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「成功者の余技」シライサン 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5成功者の余技

2020年7月12日
PCから投稿

作家でもある監督のwikiに、
『最も好きな映画監督はアンドレイ・タルコフスキー。』
とあった。

このひとの小説業のことは知らない。
プロパー外のにんげんが監督業をやる。
この国じゃよくあることなんだが、板前がカーレーサーをやるようなもの。
映画はかんぜんにオーディションリール。
作った品の体裁を持っていない。

脚本にそって人を動かし台詞言わせている映像、もしくは、映画演出をプログラムしたボットが撮っている──なら、解る。
な・ん・だ・こ・れ。

だが映画は一線の俳優を使い商業資本にのっている。
この国では一芸が多芸と見なされる。

他資本によって再建される前、にっかつとして最後の映画に落陽(1992)というのがある。

『中国大陸での大規模ロケーション撮影も駆使した製作費50億円の超大作であり、にっかつ創立80周年の記念すべき作品であったが、それだけの超大作の監督を、映画経験のない小説家の伴野朗に託したことが話題となった。』(落陽のwikiより)

また伴野朗のwikiには『1992年 自己作品を原作とする映画「落陽」監督。この興行的な失敗は、制作会社のにっかつの倒産を加速させた。』とあった。

知ってのとおり日本では映画は成功者の余技でもある。

「なんの作家でもいいが名が売れたら映画監督やらせてもらえるぞ」
未来ある姪にそう教えよう。0点。

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津次郎