劇場公開日 2021年1月29日

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「【”不条理に満ちた美しき世界の中の、シュールな笑い。”シンメトリックな構図の多さが洗練された感を与える、随所でクスリと笑えるシーン満載の作品でもある。】」天国にちがいない NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”不条理に満ちた美しき世界の中の、シュールな笑い。”シンメトリックな構図の多さが洗練された感を与える、随所でクスリと笑えるシーン満載の作品でもある。】

2021年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

幸せ

ー 観ていて、”最近、似たテイストの映画を観たなあ・・、と考えていた。個人的な意見であるが、ロイ・アンダーソン監督の「ホモ・サピエンスの涙」に風合が似ていると思いながら、鑑賞した。ー

■感想<Caution! 内容に触れています。>

・エリア・スレイマン監督自身が、全てのシーンに出演しているが、彼は殆ど喋らない。彼の周囲の不可思議な風景や、人々をじっと観察しているのである。
 その、数々の不可思議で、不条理な風景や人々の姿が、クスリと笑えるのである・・。

・それは、スレイマン監督の隣人が、”扉が開いていた・・”と言いながら、スレイマン監督の家の庭のレモンを大量に収穫していたり、バッサバッサと勝手に剪定していたり・・。
 その姿を見ても、スレイマン監督はじっと眺めているだけである。
 何故か、クスリと笑えるのである。

・スレイマン監督の別の猟師の隣人が語る、蛇の恩返しの話。

・スレイマン監督は、ナザレからパリに飛ぶのだが、パリでも不条理な事は続く。
セグウェイに乗った三人組の警官の姿。シンクロされた動きの美しくも可笑しき姿。
美しいシンメトリックな街中を進む、数多くの戦車。
同じくシンメトリックな街中を歩む多くの象、そして排泄された糞を回収するスイーパーが続く・・。

・ニューヨークでは、スレイマン監督の映画の企画は”パレスチナ映画色が弱い・・”と言う理由で没にされるも、ニューヨークの町でも不可思議な風景に次々に遭遇するスレイマン監督。
ライフルや、RPGを普通に持ちながら歩く人々。
セントラルパークの噴水の周囲での奇妙な椅子取り合戦・・。

<パレスチナのナザレから来た、エリア・スレイマン監督がパリ、ニューヨークの二大都市で見た不条理だが、シンメトリックな美しさを湛えた、クスリと笑える数々の風景。
 パレスチナ人が観た、ブラックユーモア溢れる数々のシーンが、”良く、これだけの絵空事を考えたなあ・・”と思わせてくれる世界の秘密を告げるが如き作品
エンドロールで流れる、スレイマン監督の”パレスチナに捧ぐ”と言う言葉が、印象的な作品でもある。>

<2021年4月25日 刈谷日劇にて観賞>

NOBU
ワンコさんのコメント
2021年4月25日

東京は、今日から緊急事態宣言で、主だった映画館は休館。
オリンピックを何がなんでもやりたいのか、今回の厳しさには、笑っちゃいます。笑笑

ワンコ