劇場公開日 2020年2月21日

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「長かったけどとても良かった!」名もなき生涯 ナカネムさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0長かったけどとても良かった!

2020年2月29日
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鑑賞方法:映画館

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オーストリアは1938年、アドルフ・ヒトラーを率いるナチス軍に併合された。その段階でオーストリアは消滅した。
そんな時代に妻フランチスカと3人の娘と暮らしていたフランツは、ドイツ兵として戦争へと狩り出されるが、ヒトラーへの忠誠を拒んで収監される。獄中のフランツを妻のフランチスカは手紙で励ますが、彼女もまた裏切り者の妻として村人たちから村八分的な仕打ちを受ける。前半は山と谷に囲まれた素晴らしく美しい村での家族の幸せな日々を描きます。もうこの景色だけでも見られて良かったと思うくらい美しい景色です。後半は獄中のフランツと村に残ったブランチスカが戦時中にありがちな理不尽な目に遭う展開が続きます。フランツには弁護士や裁判長から救済の手が差し伸べられますが、命と引き換えてもヒトラーへの忠誠を誓う事は出来ない。言葉と心の中は違っていても良いんだと言われても、これにサインすれば自由の身だと言われても自分の信念を曲げられないフランツ。個人的にはこの人、頑固だなあとか、家族のためにサインしろよーとか思って見てました。結局、ナチス・ドイツ軍は敗戦し、オーストリアも敗戦国となった。オーストリアは戦後、ナチス軍の戦争犯罪の最初の犠牲国と主張。しかし世界ユダヤ協会から「オーストリアはナチス軍の戦争犯罪の共犯」と反論されたんですよね。

tomクルー