劇場公開日 2020年1月10日

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「That’s Entertainment!!!」パラサイト 半地下の家族 CINE LADAさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0That’s Entertainment!!!

2021年10月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

嫌韓な皆様もK-POP大好きな皆様も、美味いキムチは食えばイイし、不味い乙類焼酎は飲まなきゃイイ。文在寅が嫌いでも安倍晋三が嫌いでも、仙台浅草のサムギョプサルは食べたほうが幸せになるし、「パラサイト 半地下の家族」は観るべきだ、あなたが映画好きを自認するならば。

韓国映画を観るのは「サニー 永遠の仲間たち」以来2本目の超ビギナー。なもんで、ポン・ジュノ監督もソン・ガンホも知らないし、この二人がゴールデンコンビと呼ばれているのも初耳です。

監督本人が「どんでん返しだけを狙った映画ではないが、決してネタバレをしないように」と言っているそうなので、ざっくりとした感想を。

一本の映画にあらゆる娯楽の要素を「これでもかっ!」と詰め込んだ本作(SF要素こそありませんが)。しかもそれらがすべて一線級に素晴らしく、さらに雑多になっていない。僅かなエロスも、乳首が無くともなかなかにエロい。ハリウッド映画が好きな人も単館系が好きな人も、邦画が好きな人も、韓国映画が好きな人も、もしかして映画をあまり観ない人でも素直に「面白かった!」と漏らすんじゃないか?これぞ映画、これぞエンターテインメント。汚物噴き出すトイレでタバコを吸う妹・ギジョンの姿は、パルプフィクションでタバコを吹かすユマ・サーマン並みにカッコいい。ポスターにして売って欲しい。

それにしても韓国人がうらやましい。日本に住んでいる以上、半地下に暮らす人々のことも、潰れた台湾カステラ店のことも、ソウル大学を4回受験したことも、ジャージャー・ラーメンの味も分からない。これらの意味を「理解しようとして」ではなく「景色として」感じることができる韓国人だけが、この作品を100%楽しめる。映画とはそういうものなのだ。フランス人に、万引き家族で描かれた「昼下がりに食べるそうめん」を理解できるか?ということだ。

とは言え、国籍や人種に関わらず絶対観るべき「パラサイト 半地下の家族」。超傑作です、マジで。観た人と酒飲んで語り合いたい、ホントに。

LADA