「喪っていくつらさ」ペイン・アンド・グローリー コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
喪っていくつらさ
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歳を取って、健康を損ねた自分には、つらいくらい染みる作品。
一番やりたい仕事が老化や病気、痛みで何もできない悔しさとか。
心残りはないと自棄な強い言葉で反発しながらも、死ぬかもしれない病気であることを知るのが怖くて病院に行けないとか。
過去の自分を超えられない惨めさとか。
それでも、仕事(脚本を書く)を辞めたくないと悩み、心身不安定で不眠症になっていくので薬が増えるとか。
ことごとく身に覚えのある事象が展開して、面白いけどつらい。
つらいけど面白い。
逃げ場のない劇場だから最後まで観られたけど、自宅なら間違いなく10分以内に再生を止めます。
あと、(逆に年齢というより、健康が大きなファクターですが)若くて健康な人が本作を観ても、「またホモ(LGBT)のヤク中ネタかよ」「共感できず、つまんない」とばっさり斬られて終わりだと思います。
繊細な老監督の役を、アントニオ・バンデラスが熱演。
多分、本作の監督の自伝的要素も入っているのではないか、と思うくらいに、生々しい表現があちこちに。
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