罪の声のレビュー・感想・評価
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純粋なサスペンス、ミステリーとしては普通
グリコ森永事件を詳しくは知らない世代です。まさに作中で、平成に生まれて事件を忘れ去ろうとしている人々と同じ。
そういった観点で観ると、この作品は社会派として非常に重要な意味を持つのかもしれない。
ただ、我々の世代(と語ってしまうと怒られるかもしれないが)にとっては、どうしても過去の事件。純粋なストーリーを評価してしまう。
その点では、特別優れているところはないと感じてしまった。事件をよく知ってからまた観てもよいかと思う。
悲哀
コチラはね… 凄かったですよ。
見応え十分。
テーマも興味深いし、役者は実力者揃いだし、
2時間半近い作品だけど、食い入る様に観てしまいました。
罪を犯す者の身勝手さ
それに翻弄される近親者たちの悲哀
それらを調べて記事にすることに確たる意義を見出せない記者の苦悩
それぞれがとてもリアルで…
機会があったら観てください。オススメです。
72点
主演・助演共にわかりやすい役柄じゃないからこそ難しい役だったと思う。
2020年の話題作の中でも良い作品の上位にくるがあともう一歩二歩足りなかった印象。
でも充分な名作。w杯で例えたらベスト8くらい(?)
職人のしごと
圧倒的に面白い。ふだんわたしは天才や鬼才などと称されている日本映画・監督をけなしてばっかりだが、祈りの幕が下りる時や本作のような職人の映画を見ると、溜飲がさがる。つくづく日本映画に天才・鬼才は要らない。どこがなぜ面白いかというより映画づくりを知り・解っていて、かつご自身の映画づくりにたいして職人的忠勤よりほかの自負心がない人たちが、賞と賞賛を狙わずに映画をつくっている。アーティストよりも前に技術者=職業監督として映画をつくっている。
ぐいぐい展開する、スコセッシのような余裕の演出力と、めまぐるしく時代と場所を跨ぐ、心地よいスピード感。撮影がきれいで、場面転換の都度、空から全景・絶景がぐわーっとパンする。予算も潤沢で、グリコ森永事件を完全に置き換えた、気の遠くなるような、小道具とエピソードの数々。新旧の俳優たちの競演。フレッシュな躍動と、ノスタルジーを同時に提供する、舌を巻くほど豊かでサスペンスフルな映画だった。
宇野祥平が良かった。ギロッとするときの小栗旬もいい。星野源は悪くないけれど、プロパーで固めてもいい──ような気はした。
役者が泣くシーンばかりが印象に残る
グリコ森永事件をモチーフに、犯人側の人間模様を掘り下げて物語を編み出した原作はたいへん面白いし、立派な仕事をしたと思う。
ただ、映画にするなら、もうちょっとポジティブな要素で見せ場を盛り上げる工夫が欲しかった、
結局のところ、不幸を背負わされた人が、過去を振り返って家族を想ってむせび泣くシーンを映画の見せ場にしてしまっている。そこじゃないでしょう。
原作よりも明快
原作よりもわかりやすいストーリーで、片時も目が離せない展開に仕上がっていた。
映画の尺に抑えるとパーフェクトな映画であったと思う。
個人的には社会部の鳥居さんと阿久津さんのやりとりが原作では深く描かれているので、それをもう少しフューチャーしてもらいたかった。
野木マジックの素晴らしい人間ドラマ
ようやく観ることができました。原作のエッセンスを損ねることなく、見事に映画ならではの魅力あふれる作品に昇華されていました。何よりも、個々の人物の葛藤や苦悩が深く描かれ、素晴らしい人間ドラマになっています。モチーフは暗めの作品であるはずなのに、見終わった後には、なぜかじんわりと心の中に温かみがわき起こってきます。野木亜紀子さんの脚本がなせるマジックでしょうか。感服です。
明るい話ではないが面白い
主人公2人の各々の推理が最後合わさり、点と点が結ばれる、そういうストーリー展開。
こういうの好きです。
題材もミステリーものとしては映画作品の中であまりなかったテーマなので少し新鮮味もあり、店舗も良く、面白い作品でした。
当時、子供ながら、、
覚えてる事件です。
あまりにも話が良く出来ていて
事件が本当にそうだったのか調べてしまいました。
それくらいリアルに感じたから
凄く良く出来てる映画だと思います。
でもこの映画を観たことで
実際の事件もこんな感じだったんだろうな
と思う自分がいて、
でも、いやいや未解決なんだなって
納得したらダメって思う、、所に
うーん、何かジレンマを感じて、
ちょっと点が低くなりました。
二本立て二本目。未解決グリコ森永事件の真相に迫る。ノンフィクション...
二本立て二本目。未解決グリコ森永事件の真相に迫る。ノンフィクション好きの私にはたまらない作品。原作、監督、脚本が素晴らしいのか、かなり魅せます。確かに脅迫に使用された子どもの声、本人なら分かりそうなもんだ。
ただ、次々明らかになる新事実にはやや違和感。そんな上手くいく?だいたい、あんたら、誰かが警察に話せばすんなり解決やん(笑)
非常によく練られており、見応え充分。…なのだが、真実はもっと深い気がする。そろそろ真犯人の1人でも出てきて語ってもいいのに…そこがまた面白い。
劇中では1円も手に入れてないことになっているが、私は思う。真犯人はかなりの金額を企業側から手に入れているはず。
深い深すぎる❗️
声を使われた3人の子供の人生と、使われた理由、それに関わった多くの人間模様。これほど深い作品は久しぶりです。アカデミー賞の最優秀脚本賞をとりましたが、納得です。
新聞記者の仕事という凄さも感じられる作品です。刑事より優秀かも(^^)
宇崎竜童、火野正平しぶかったな!
事件をエンタメとして消費してるよね、これ?
「今更、掘り返す意味あります?」と作者にこそ問いたい。
「グリコ・森永事件をモチーフとしたフィクション」という発想は構わない。
しかし、実際に滋賀県警のノンキャリ叩き上げだった本部長が焼身自殺なさった件や実際に使われた声の子供達の存在、グリコ、森永、丸大、ハウス等で苦渋を舐めた社員の方々の事を考えたら「エンタメとして消費してよいのか?」と否定的感情を拭えない。
この映画の影響力は大きいですよ?
フィクションだと断ったって「これが真相に近いんだ」というイメージが刷り込まれちゃった人は少なく無いと思うよ?
それって、ちょっとどうなんだろう・・・。史実の認識を歪めちゃってるよね。
作品内容自体は作者の仮定・憶測の類に過ぎないフィクションなのだから、いっそのこともっともっとフィクションにしてしまって「事実」と切り離してくれたなら、フラットな気持ちで楽しめただろう。
作品テーマも曖昧で、正直なところ前半は苦痛だったが、瀬戸内海をバックに阿久津と曽根が心通わせ、阿久津が「掘り返す意味」に自分なりの回答を掴みかける辺りからは「ジャーナリズムの意義や価値、哲学」にテーマを絞って観ることにしたので、ようやく物語を受け入れられた。
私自身は学生運動世代ではないが、子供の頃〜学生時代にかけて目にした小説や書籍の中には学生運動を実際に経験した方々や、活動家ではなくとも運動が身近であった方々の手になるものも多々あった。
就職後、職場の先輩諸氏には当時ヘルメットとゲバ棒を手にしていたという方々もいたので、直接様々な話を聞いた。
世間一般では安田講堂の全共闘やら浅間山荘の連合赤軍やら極端に偏った過激派の暴力行為ばかりがピックアップされがちだが、それらは運動の本質から大きく乖離していると考える。
だから、本作のような上っ面だけをなぞり、さも闘争を理解したかのような扱いで描かれる事は非常に腹立たしい。
結局、原作者の年齢では所詮グリコ・森永事件も学生運動も、明治維新や信長・秀吉の天下統一と同じくらい「昔の出来事」に過ぎないのだろう・・・。
物語、脚本は面白かったし、監督の演出も良かったと思う。
しかしながら、事実を扱う時の配慮や学生運動への感覚、随所に見られるご都合主義など、様々なノイズが不自然な関西弁と同様に鑑賞を邪魔してくれた。
「各事件の発生日時、犯人による脅迫状・挑戦状、事件報道」が史実通りだった事に、言いようのない不快感を煽られてしまった。この部分も創作にしてくれていたならと、非常に残念だ。
それにしても、古都ヨークの美しさには改めて感慨を覚えた。
知らず知らずのうちに、宇崎竜童出演作品を連続して観てしまったが75歳の年齢をまったく感じさせない程お元気で嬉しい。
港のヨーコや横須賀ストーリーの印象が強烈なのでてっきり神奈川出身だと思い込んでいたが、なんと伏見区出身なのね。京男でありましたか!
まぁ、ともかく「騙し絵の牙」はノイズ無しで楽しみたい。大丈夫だよね?
阿久津英士さんへ質問
2020年キネ旬ベスト7位の作品で、原作は未読です。
公開当時は最近苦手になりつつある邦画に多いサスペンス系の作品だと思い二の足を踏み見逃していたのですが、評判は良く劇場で再公開してくれたので鑑賞しました。
自分が想像していた作品とは違い社会派の人間ドラマだったので面白かったです。実際に起きた事件(グリコ・森永事件)を元にフィクションとして実に見事に練られた作品で、当時の結局この事件は何だったのか?大がかりな愉快犯だったのか?等々の疑問が残る何とも不可解な事件だと思っていましたが、この作品の様な理由付けされると、これが真実だったのかも知れないと納得させられる様な内容でした。
ただこの主人公の阿久津英士(新聞記者)がちょっと胡散臭いほどの良い人ぶりであったのですが、社会部が嫌になり文化部にまわったのは良いが、その仕事ぶりは観もしない作品の論評をそれらしく記事にしているシーンがあり、それってこの作品の全体を通して考えると人格矛盾している気がして少し引っかかった。「この人の仕事に対する矜持って何?」って思ってしまいましたからね。
ここで、この主人公に聞きたいのですが、「矜持って職務によって変わるものなの?」「もし変わるのなら職務に貴賎があるという事を認めているの?」「自分の納得出来ない職務なら仕事に対する矜持なんて捨てても良いの?」って事ですね。
犠牲になった少女が映画雑誌のスクリーンを拾い読みしているシーンなどもわざわざ入れていて「ひょっとすると今の若い少女が同じようにアンタのそのいい加減な記事を熱心に読んでいるかも知れないじゃないか!!」って、つい突っ込みを入れてしまいましたからね。
良い映画だけにこういう細部の人物描写のアンバランスが気になる作品でもありました。更にラストの重要人物に対する台詞も、甥の俊也か少女の弟の聡一郎に言わせた方が説得力があるのにと思いましたよ。
例えば私『Fukushima 50』という映画をまだ観ていません。恐らく感動作なのだろうと思うのですが、個人的に電力会社という組織そのものに引っかかりがあり観ることが出来ない状態なのですが、本作に於いても私は“今のジャーナリズム”や“ジャーナリスト”そのものに不信感を持っている人間なので、作品の良さとは別のところで本作にも少し引っかかりを感じてしまったのです。
それは、去年の『新聞記者』などにも同様の思いがあったのですが、本作の真の主人公(テープの声の子供達)は犯人に利用された側だったので、私には本作の方が納得はし易かったです。
期待を裏切らない作品
原作を読んだ上で鑑賞しました。
原作はやや難しく感じましたが、映像化されたことで内容がわかりやすくなりました。
ミステリーとしても良し、家族愛を描いた映画としても良し。
期待を裏切らない作品でした。人にお勧めしたいです。
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