劇場公開日 2020年10月30日

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「見ごたえある群像劇」罪の声 N Tさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5見ごたえある群像劇

2021年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 2時間半近くある長編ですが、時間を忘れて最後まで観ることができました。
 主人公の一人である星野源の「普通の人感」が物語に非常にマッチしており、何気ない日常を送れることの大切さを訴えかけてきます。
 未解決事件の真相解明というよりは、事件によって人生が変わった・変えられてしまった人々に焦点が当てられており、話が進むにつれて段々と胸が苦しくなっていきます。登場人物が多いので少し疲れますが、最後までダレることなく纏められた脚本は見事です。
 欲を言うならば、もうひとひねりというか、衝撃の事実みたいなものが欲しかった。全体的に淡々と話が進むので、映画的に盛り上がる場面が少ないのが残念。また、作品の元ネタとなった「グリコ・森永事件」をある程度知っていることが前提で面白い部分(キツネ目の男とか)もある思うので、元の事件を知らない人が観たら少し物足りないかしれません。

N T