劇場公開日 2020年7月31日

「【”本当に全力出してる奴は、自分から全力何て、言わないんだよ!” 令和版スポ根映画。】」#ハンド全力 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”本当に全力出してる奴は、自分から全力何て、言わないんだよ!” 令和版スポ根映画。】

2020年8月2日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

幸せ

ータイトルは劇中、やらせSNSが暴露され、それまで驚異的にフォロワー数を伸ばしてきた、”#ハンド全力”が炎上し、自分の愚かしさと情けなさに意気消沈しているマサオに対して、兄(仲野太賀 太賀から改名して、益々現代邦画には欠かせない俳優さんになってきた。)が冗談っぽくかけた言葉である・・。ー

・序盤は、まさにこの言葉が頭の中で何度も出てくるほど、苛苛しながら、マサオたちの行動を観る。
ー被災した熊本城を使って、SNSにアップするため”ハンドボールやらせ写真の恰好良い写真”を撮るマサオたち・・。情けないなあ・・。-

・そのような、彼ら男子ハンドボール部員の一部のメンバーを軽蔑した表情で見下ろし、
 ”空しくないの!”
 と言い放つ、女子ハンドボール部員の女子を演じる”蒔田彩珠さん”の”冷徹な目”が凄い。
 今作では、元名子役の方々が多数出演しているが、彼女の存在感は”ダントツ”である。
ー”蒔田彩珠さん”は、まだ、お若い方だが、凄い女優さんになられるのでは・・、と勝手に思っている。
 私は、あの”冷徹な目”は小松菜奈さんに次ぐと思っている・・。-

・又、マサオの両親を”田口トモロヲ”、”ふせえり”が安定の演技で作品を支え、やる気のない男子ハンド部顧問、サンダル先生を篠原篤を演じるているのも、嬉しい。
ーあの、震災直後の ”生きるためじゃ!” と言い放った男は彼だったのか?。又、小さな踏切を挟んでのマサオとの会話シーンも良い。サンダル先生をもっと”深掘り”してくれよ・・、松居監督。-

・”SNSとスポ根”という組み合わせに ”成程なあ‥” と思いながら、鑑賞。

<虚構の世界の”イイね!”の呪縛から脱却し、現実世界でのスポーツに汗する喜びを思い出した、マサオたちの姿に少しホッとした作品。
 この時代のスポ根映画って、このような描き方になるのかなあ・・、とも思った作品。>

NOBU