劇場公開日 2019年12月13日

  • 予告編を見る

「不器用口ベタ男の究極のDIY」シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5不器用口ベタ男の究極のDIY

2020年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

単純

萌える

愛娘に何かを残すために奮闘する父親の実話――と書いてしまえばありきたりだが、その「何か」が宮殿というところにまずビックリ。
それも金に物を言わせてではなく、自ら石を運んで(それも、形が歪な物を選んで)DIYで作ってしまったというから二度ビックリ。
とにかくこのシュヴァルという人物が、不器用かつ口ベタ過ぎることこの上なし。それでも2回も結婚できるのだから、人生とは不思議。
決して性格が悪い人物ではない分、中盤以降に降りかかる様々な不幸が本当に気の毒。

『探偵!ナイトスクープ』の名物企画「パラダイス」では、独自で遊園地や戦車を作ってしまうような、ちょっとやり過ぎなDIYをする人が出てくるが、その多くは男性。中には、夫の没頭ぶりに呆れながらも、「しょうがないわね」と苦笑いして受け入れる奥さんが映る。
シュヴァルの宮殿づくりも偉業なのは間違いないが、その影に奥さんの内助の功があった事は忘れてはいけない。

後半部でちょっと間延びする部分もなくはないが、少々物悲しげで切ないラストが余韻を残す。

regency