酔うと化け物になる父がつらいのレビュー・感想・評価

作者の菊池真理子さんの実体験に基づく
コミックエッセイが原作の映画ですが、
もう全編を通して私の家族の話かと思いました。笑

母親は宗教にどっぷりで、父親は酒タバコを辞められずに麻雀だいすきで、友達にお金をすぐ貸したり、不摂生した挙げ句トイレで血を吐いたのをきっかけにガンが発覚しステージ４の末期、そんな両親を持つ姉と妹。もうこの設定が一緒すぎて共感ばかりだったし、セリフもだけど相変わらず松本穂香さんの演技力に引き込まれて、嗚咽するくらい号泣しました。

胃がんで亡くなった私の父も、仕事帰りに麻雀クラブに毎日通っていて酒に酔ったまま夜中2〜3時に帰ってきて、そんな父に怒った母と夫婦喧嘩になり、私と姉は明日学校なのに喧嘩の声で夜中に起こされるのは日常茶飯でした。

喧嘩は激しくて壁にすぐ穴を開けるし、うちの母親のことを殴って、朝起きたら母の顔にあざができていたことは鮮明に覚えています。子供には手を出さなかった父でしたが、休日は二日酔いで昼過ぎまで寝ていて一緒に出かけたりした思い出はありません。
胃がんが発覚したきっかけもトイレで血を吐き意識を失い救急車に運ばれて、私の父もステージ４でした。

映画を見ながら自分の学生時代を見ているようで、一緒なところが多すぎて驚きながらも昔のことを思い出して泣きっぱなしでした。

「お酒じゃない、お酒でもない、私たち家族のことを何とも思ってないことが悲しい。」

「お父さん、わたし今になって気づいたよ。
聞きたいこと、話したいことたくさんあったんだなあって。なんにも話してくれなかったね。」

このセリフがとても心に刺さりました。

私は「父との楽しい思い出は？」
と聞かれると今でも本当に思い浮かびません。

でも、もっと父とたくさん話しておけば良かった、
どんな人だったのか色々と知りたかった。
ただそれだけが心残りだなと、
この映画を見て改めて思いました。

一回好きって言ってからずっと買って来てくれる
そんな優しいお父さん

だけど、父と娘は分り合いづらい

DVしまくる父親見てきたのに
好きになる男はどうしてか父親に似てる
(サキの彼氏はお父さんより嫌な奴)

家族を養おうと必死に生きてくれたお父さん
家族が壊れないようにと祈ってくれたお母さん

どちらも普通では無いし
最終的には子供のこと守れてないしダメなんだけど
家族なんだよね

今なら母の気持ちも父の気持ちも
少しはわかるよ

でもね、生きてる時にその気持ち知りたかったな

新型コロナウイルス対策で
等間隔に開けての席販売でした
ゆったり見られて幸いでした

もっと悲惨なのかと思ってた…そんなでもなかった。
心の中の思いを吹き出しにするのは、
反則じゃない？と。
漫画的にするための試みだろうけど、
巧くいってなかった気がする。
一番面白かったのは、オダギリジョーが登場する場面。某CMかと思った(笑)