劇場公開日 2019年4月20日

  • 予告編を見る

「素材に語らせることに徹底できなかった点はダメ」主戦場 chazさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0素材に語らせることに徹底できなかった点はダメ

2019年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

評価が1か5の両極に分かれるこの作品
スクリーンに高精細で映し出される話者の表情は圧倒的だ。
それは認めなければならない。
例えば杉田氏の表情から、人はおそらくその人格まで読み取ってしまう。
彼女を香港政府のスポークスマンに見立て、香港民衆は外国人勢力に金で雇われたテロリストであることは明らかだ、と英語の字幕をつけたら、英語圏の人々は違和感なく受け止めるのではないか。

後半、取材した素材が大きく変わり、取材対象に語らせるより、製作者自身が話し始めてしまう。
これでは、ドキュメンタリーとは言えない。

自己と「国家」、「民族」を無自覚に一体化して、それらに対する一切の批評的言辞を自己に対する攻撃であるかのように反応してしまう風潮が、日本に限らず、韓国にも、アメリカにも、中国にも見られる。
それは、やはり病理というしかない、と私は思う。

この映画には欠点がある。
と同時に、今を抉り出す力も、ある。

古今東西を問わず、人は弱点を指摘されたとき、ヒステリックになる。
批判が正鵠を射ていなければ、平然と受け流せるものだ。

☆4は甘いかも知れない。
しかし、杉田氏をはじめ、一部で「識者」などと囃されている人物の軽薄で歪んだ精神の在りようを抉り出したところに、私はやはり映像表現の威力を見た。
彼らがする取材態様云々の反論は、本論に対する傍論、主幹に対する枝葉末節に過ぎない。

次に期待されるのは、冷静な反論だ。できれば、同じように映像で観たい。

chaz
エーゲ海の真珠さんのコメント
2019年10月13日

●スクリーンに高精細で映し出される話者の表情は圧倒的だ。それは認めなければならない。
→「映画に使いますからね?」という事前確認が無かったと騒ぎになってましたが、こちらについてはご存じですか?

香港政府のスポークスマンに見立て、香港民衆は外国人勢力に金で雇われたテロリストであることは明らかだ、と英語の字幕をつけたら、英語圏の人々は違和感なく受け止めるのではないか。
→香港事情をとても懸念されているようですね。ただ、論壇で粗雑に話す人をテロリスト呼ばわりとは驚きました。貴方の認識は、少し乱暴なように思えます。

●自己と「国家」、「民族」を無自覚に一体化して
→これを帰属意識と言います。「お前のカーチャンでべそ!」と言われて子供が怒るのは、親を愛しているからです。たとえでべそであっても。貴方は自国を不正に貶めようとする勢力が意味不明な罪を自国に着せようと喚いているのを見て、怒らないのですか?
いわゆる慰安婦問題にからめて上の表現を過激にすると「お前のじーちゃん強かん魔!」です。ただし慰安所を設営することも、慰安所に通うことも犯罪ではありません。とうてい事実とは認められておらず、相手側の一方的な認識です。さぁ貴方ならどうします?怒らないでおじいちゃんを擁護しようとしてる人たちを軽蔑されてませんか?

●次に期待されるのは、冷静な反論だ。できれば、同じように映像で観たい。
→観たいのはわたしも同じ気持ちですが、貴方には一度、慰安婦問題について国内のまとめサイトを右と左で見比べて読んできてほしいところです。きっと新たな知見があると思いますよ。

エーゲ海の真珠
は?さんのコメント
2019年10月12日

デザキ監督の軽薄で歪んだ精神の在りようを見抜けないあなたにはこの映画は無理だと思う。

は?