劇場公開日 2021年10月15日

「泥臭いが剣は、一流の土方歳三の生きざま」燃えよ剣 くぼたんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0泥臭いが剣は、一流の土方歳三の生きざま

2021年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

司馬遼太郎の原作を忠実になぞった映画。人物造型も、沖田総司役の山田涼介さんが熱演。労咳で亡くなる総司の天真爛漫さと冷酷な殺人者の役を演じた。土方歳三の生涯と新選組を描いた本作は、映画というくくりのため長編の原作をはしょり、歴史との大まかな関わりの事件を主に描いているため、ちょっと物足りない感があった。絵師のお雪さんはイメージを膨らませたのか。原作のセリフそのままのところがあった。岡田准一さんのばらがきの歳三の土臭さ、土着の喧嘩戦法、天然理心流の殺陣で見せるみせる。時代劇にありがちな、大げさの立ち回りでなく、本物の白刃でのやり取り、血しぶきに魅せられた。時代の変革期に、翻弄されつつも最後まで男の流儀を貫き通す美学が美しい。しかし、二時間は短いと感じるくらい、密度の濃ゆい出来である。歴史の本や司馬遼太郎のの本でもう一度感動をかみしめたい気がした。歴史とは、結局誰が正しい、正しくないと後世の人間が決めただけなのかも。日本中で俺たちの味方はだれもいねえよ。歳三のコトバは重い

くぼたん