劇場公開日 2019年4月19日

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「力作ではあるが、物足りない。」アガサ・クリスティー ねじれた家 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0力作ではあるが、物足りない。

2020年5月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWプライムにて観賞。

ソフィア役のステファニー・マティーニという女優が美しい。
これが本作の最大の収穫だと思う。
探偵役のマックス・アイアンズも二枚目ではある。

舞台となるお屋敷の美術が見事だが、クリスティーものでは珍しくはない。
巨大な肖像画のインパクトと、それを背景にした人物たちの描写は、絵として一見の価値はある。

ポワロのように自分の頭脳で謎を解くのではなく、本作の探偵は前職や亡き父などの人脈を捜査に活用する。
が、それはほとんど活きてこない。というか、謎が解けない。
彼に捜査を依頼してきた元恋人のソフィアは、虚像の人物だった。その美しさが謎めいた設定を演出するのだが、彼女が物語のヒロインになっていないので、あまり意味がない。

ほぼ閉鎖空間で事件も捜査も進められるので、ほとんど会話劇になってしまうのはクリスティーものの常套だから仕方ない。
怪しさ満載の登場人物たちを観る側が整理しなければならないのも、クリスティーものの宿命。
だから、過去のクリスティ映画の成功作はオールスターで構成していた。
実力主義のキャスティングだったとしても、知られた役者がグレン・クローズとジリアン・アンダーソンくらいでは、この物語を引っ張っていくのは辛い。

連続テレビドラマだったら、面白くできたかもしれない。

kazz