劇場公開日 2022年2月4日

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「得難い時の流れを感じさせてくれる名作」ゴーストバスターズ アフターライフ アラカンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5得難い時の流れを感じさせてくれる名作

2022年2月11日
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鑑賞方法:映画館

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字幕版を鑑賞。1984 年に第1作、1989 年に第2作が公開された大ヒット映画の続編である。“afterlife” には「余生」や「あの世」といった意味がある。かつての4人のバスターズの中で、イゴン・スペングラー博士を演じたハロルド・ライミスが 2014 年に亡くなったことまで取り入れたストーリーは、ただのノスタルジーに終わっておらず、現代に繋がる家族の話として見事にまとまっていた。

旧2作の頃は CG が未発達であり、アナログな特殊撮影を駆使してゴーストたちが描かれていた。30 年以上経った現在では、CG の進歩によっていくらでもリアリティの上がったゴーストたちを見せることが出来るわけだが、敢えて旧作のテイストを残した本作のゴーストたちは非常によく出来ていた。

バスターズたちは、背負った装置からプラズマ状のエネルギー体を放出してゴーストを捕獲する訳だが、プラズマが飛んで行くならば装置とゴーストの間にかなりの高電圧がかかっている必要がある。ゴーストにどのようにして電極を設置するのかが非常に謎である。また、3本のプラズマを合わせたからといって特別に強くなる訳でもない。と、いろいろ突っ込みどころはあるのだが、目を瞑った方が楽しめそうである。ただ、30 年以上前の装置に青色発光ダイオードが使われていたのはまずいのではと思われた。

アメリカの田舎の風景を懐かしく眺めていたが、アメリカ映画はやっぱりガサツだと思わされたのは、フィービーが祖父の装置を使ってゴーストのマンチャーを捕まえる時に、ド派手に街を破壊するのだが、全く反省の色がないところである。ヒーローの活躍のためなら多少の損害は目を潰れと言ってるようで、この映画に限った話ではないが、非常に現実離れした態度に思える。

役者はそれぞれ印象的で、旧作のキャラたちに負けていなかった。懐かしい顔も登場して期待以上の展開を見せ、同窓会に参加しているような気になった。音楽も旧作からの引用が懐かしく、半端ないリスペクトが感じられたが、それもそのはずで、今作の監督は旧2作の監督のご子息だそうである。得難い時の経過を感じさせる名作である。
(映像5+脚本4+役者4+音楽5+演出4)×4= 88 点。

アラカン