劇場公開日 2020年2月28日

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「大自然は我々の戻るところ」野性の呼び声 Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5大自然は我々の戻るところ

2020年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ベックはカルフォルニアのある家から盗まれカナダのユーコン準州に売り飛ばされてしまった。驚くほど賢くて、犬の表情を見てこの映画を終わりにできるほどだった。それに、ユーコン準州の大自然。自然と一体になって生きている人々。ゴールドラッシュが始まっているから、もちろん、一攫千金を狙って来ている人々も多いが、この話では、一人が主な悪党として扱われているが、きっともっといたに違いない。郵便配達をしている時大雪崩が起きるが、あれは鉄道建設を試みている工夫が爆発物を仕掛けたように思われた。雪崩の中を猛烈に通り抜けるベックたち犬ぞりに気を取られあまりよくきいていなかった。

好きなところはジョン(Harrison Ford)がベックにユーコン準州の地図を見せて、ここを超えて大自然の中で自由に住めるところに行こうというシーン。二人はアラスカ方面に向かって(当時、まだ開発されていなかったのかも?)歩き出す。これは、二人が自然に帰るということで、土に帰ることを意味すると思った。かれは、他の金目当てで、ここに住んでいる人とは違うとわかるが、結局、自然より強大なものはないから、目先の利益より自然とどう付き合うかが、大事なんだね。現在もそうだと思うけどね。

あと、フランス系カナダ人の郵便配達人(Omar Sy )が徐々に、ベックの才能に気づくシーンが好きだし、最後、ベックに、別れ際に『自分たちのこの仕事は人に愛をあげること』だとかいうシーンが好き。ベックはこの意味を理解してくれるから、彼に、ゴールドラッシュで人間が人間であることを失いそうになっている人々に向かって、理解できるベックにその本質を話したかったんだと思う。

Socialjustice